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Green Carbon、タイの水田で玄武岩散布によるCO₂除去実証を開始 2027年に拡大へ

Green Carbon株式会社は、タイ・シンブリ県の水田において、玄武岩を農地に散布して大気中のCO₂除去を促進するEnhanced Rock Weathering(ERW)の実証プロジェクトを2026年8月に開始した。本プロジェクトでは同社が開発を担い、タイ王国の国立大学Kasetsart University(カセサート大学)がフィールド研究を実施するほか、ドイツ国際協力機関のDeutsche Gesellschaft für Internationale Zusammenarbeit(GIZ)から研究および地域連携の支援を受ける。同社は2026年中に測定・報告・検証(MRV)に関する基礎データを蓄積し、2027年から5,000ha規模への拡大を目指すとしている。

玄武岩を活用したERW技術の概要

Enhanced Rock Weathering(ERW)は、玄武岩などのケイ酸塩岩石を細かく砕いて農地に散布し、岩石が自然にCO₂を取り込む風化の働きを加速させるCarbon Dioxide Removal(CDR)技術である。

自然界において岩石が雨水などと反応して風化する過程で大気中のCO₂が取り込まれる仕組みを農地で促進し、大気中からCO₂を除去して長期的に固定することを目指している。農地への適用にあたっては、CO₂除去だけでなく、土壌環境や作物の生育、肥料使用量への影響に関する研究も進められている。

2026年8月、Green Carbon株式会社とカセサート大学はシンブリ県の実証圃場において、玄武岩散布前の土壌・水などのベースラインサンプリングを行った後、対象となる水田への玄武岩散布を開始した。玄武岩を散布する圃場(Treatment Plot)と散布しない圃場(Control Plot)を設け、2026年8月から12月にかけて定期的なサンプリングとラボ分析を実施する。

主な検証項目は以下の4点である。

  • CO₂除去性能(Carbon Removal性能):タイの水田環境における玄武岩の風化反応を測定し、CO₂除去ポテンシャルを評価する。
  • 稲の収量・肥料使用量への影響:稲の生育や収量への影響に加え、化学肥料使用量を削減できる可能性を検証する。
  • 土壌・環境安全性:土壌、水質、ミネラル成分等の変化を測定し、重金属を含む環境・安全面への影響を確認する。
  • MRV・炭素除去クレジット創出への適用可能性:将来的な国際的Carbon Removal認証・クレジット創出を見据え、CO₂除去量を科学的に測定・報告・検証するためのデータとオペレーションを構築する。

現地連携と実測データ蓄積の背景

ERWによるCO₂除去性能は、使用する岩石のほか、気温、降雨量、土壌の性質、水管理など地域ごとの環境条件によって変化する。タイを含む熱帯地域の水田における実測データは現時点で限定的であるため、本プロジェクトでは実際の水田環境における玄武岩の風化速度やCO₂除去量、稲の生育・肥料使用量への影響を現地データとして蓄積し、環境条件に適した運用方法と科学的なMRVの確立を目指す。

本プロジェクトは、Green Carbon株式会社とGIZが2026年5月に締結したMOUを踏まえた取り組みである。2026年7月17日にはシンブリ県でLocal Stakeholder Consultationが実施され、地元農家や土地所有者、村の代表者、地区・県レベルの農業行政関係者、Rice Departmentおよび関連研究・種子機関、カセサート大学、GIZなどが参加して意見交換が行われた。

今後のロードマップと事業化方針

Green Carbon株式会社は、今回の実証を通じてタイにおける大規模なERW・Carbon Removal事業の構築につなげる方針を掲げている。想定されているロードマップは以下の通りである。

  • 2026年8月~12月:フィールドモニタリング、土壌・水・作物データの取得
  • 2027年Q1:収穫データ、ラボ分析、Carbon Removal性能および農業効果の初期評価
  • 2027年:実証結果や事業開発条件を踏まえ、2027年から5,000ha以上への展開を目指す
  • その後:モニタリング結果、適用する方法論(Methodology)、第三者による妥当性確認・検証(Validation / Verification)等を踏まえ、Carbon Removal Creditの発行を目指す

同社は実証結果を踏まえ、岩石・原料パートナー、農業パートナー、将来的なクレジット購入に関心を持つOfftaker、投資・戦略パートナーなど国内外の企業・機関との連携を進めていくとしている。

Green Carbon株式会社 概要

  • 代表者:代表取締役 大北 潤
  • 所在地:東京都千代田区麹町2-3-2 半蔵門PREX North 9F
  • 設立:2019年12月 12日
  • 事業内容:カーボンクレジット創出販売事業、農業関連事業、環境関連事業、その他、関連する事業及びESGコンサルティング事業
  • URL:https://green-carbon.co.jp/

本記事はGreen Carbon株式会社の発表をもとに作成。

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