M-DEEP、AI向け防御レイヤーPIIFirewallの提供を開始
M-DEEP株式会社は、AI利用時のセキュリティとコストの課題を同時に解決する防御レイヤー「PIIFirewall」の提供を開始した。AIに送信される前に個人情報を検出してマスクし、受信データに仕込まれた不正な指示(プロンプトインジェクション)を検知・防御する。検出・マスク・復元の処理はすべて端末や自社サーバーの中で完結し、外部のAIや提供元に生のデータが送信されることはないとしている。

開発の背景とサービスの概要
帝国データバンク「生成 AI に関する企業の動向調査」(2026 年 3 月)によると、企業が感じる懸念の上位に「情報漏洩のリスク」(33.5%)が挙がっている。既存の関連サービスは価格非公開や個別相談見積もりの事例が多く、導入のハードルとなっていた。同社はAI利用を減らすのではなく、安心して増やせる環境を目指してPIIFirewallを開発した。

本サービスは利用者とAIの間に立つ防御レイヤーとして機能し、送信データをマスクした上で、AIから返ってきたデータをローカルで復元する仕組みをオンライン完結で提供する。
5つの主な特長と選べる4つの導入形態
PIIFirewallの主な特長は以下の通りである。
- 個人情報と資格情報のマスキング:氏名・メールアドレス・電話番号・住所などの個人情報(PII)に加え、APIキーや秘密鍵などの資格情報51種類を検出してマスクする(計80種類)。カスタムPII追加機能による機密情報の検知・マスクにも対応する。
- プロンプトインジェクションの防御:受信メールや文書、外部ツールからの応答に仕込まれた悪意ある指示を検知し、AIが受け取る手前で遮断する。
- 4つの導入形態:ブラウザ拡張(Chrome / Edge)、SDK(Node.js / Python / Java)、Gateway、Connector(Claude Desktop / CursorなどのMCPホスト向け)から環境に合わせて選択できる。
- AIトークンコストの削減:Gatewayに反復する問い合わせをキャッシュから返す仕組みを搭載し、AI利用コストを約90%削減する(当社調べ(自社サービスでの稼働計測)効果は利用内容により変動します)。
- 料金の公開と無料プラン:料金を公開しており、ブラウザ拡張は登録不要で利用できるほか、他の形態も無料プランが用意されている。
端末内で完結するダッシュボードと料金体系
利用状況を確認できるダッシュボードが無料で提供され、利用者の端末内だけで動作する。保護した個人情報の件数、インジェクションの防御結果、検知した攻撃の中身(Proプラン以上)、AIキャッシュの効き、AIコストの推移などを1つの画面で把握でき、記録が同社へ送信されることはない。
無料プラン(https://piifirewall.com で登録、クレジットカード不要)は月300件までの保護を期限なしで利用できる。
料金プラン(税別)は以下の通り。
- Free:¥0(月300件まで、期限なし、ブラウザ拡張は登録不要)
- Pro:¥2,980 / 席(利用量の上限なし、チーム利用は1〜19席)
- Enterprise:要相談(20席以上・個別要件)
代表者コメントと今後の展開
M-DEEP株式会社代表取締役の三島一祥氏は、「プライバシーは、後から足す機能ではありません。製品の設計そのものです」とした上で、ルールベースの運用だけでは防ぎきれない脅威に対し、安心してAIの利用を増やせる環境の実現を目指すと述べている。
中核技術はPCT国際特許出願済みであり、今後は検出エンジンの対応言語の拡大やAIコスト可視化機能の拡充を進めるとしている。
本記事はM-DEEP株式会社の発表をもとに作成。
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