KAMAKURA HOTELとcircuRE act、ホテルアメニティ廃棄削減への挑戦
東京都千代田区に本社を置くcircuRE act株式会社は、神奈川県鎌倉市のKAMAKURA HOTELと共同で、ホテル業界の課題となっているアメニティの大量廃棄について取り組みを行った。
日本のプラスチックごみの廃棄量は世界で2番目に多く、一人あたり年間32kgにもなる。回収されたプラスチックごみのリサイクル率はわずか9%で、79%が埋立や自然投棄されている。特に深刻なのが海洋プラスチックごみで、世界全体で毎年800万トンも流出しているという。
KAMAKURA HOTELでは、歯ブラシやひげ剃りなどのアメニティを客室に設置しているが、1泊のユーザーが多いため、大半のものを廃棄しているのが現状だ。未使用品でも外箱に損傷があるものや、シャンプーのキャップ部分のシールが少しでも剥がれていると廃棄対象になる。
そこでcircuRE actは、自社開発の石けん「sea design soap」を活用し、アメニティを未使用で返却した宿泊客にプレゼントするキャンペーンを提案。あわせてアンケートを実施し、ホテルアメニティ問題解決への糸口を探った。
キャンペーンには271名中105人が参加し、アンケートに回答。20代が66.7%と最も多く、日常での環境問題への取り組み率は82.9%に上った。ホテルで不要と思うアメニティについては、かみそりが70.5%と高かった一方、歯ブラシは5.7%にとどまり、必要だと感じる人が多いことがわかった。
今回の取り組みについて、81.0%が「素晴らしい取り組みだと思う」と好意的に受け止めた。circuRE actは「このアンケート結果が、アメニティ問題に取り組むホテルの参考になれば」と話している。
circuRE actは、微細藻類から抽出したオイルを使用した石けんの開発・販売などを通じ、環境負荷を軽減し、健やかな生活を可能とする社会づくりを目指している。