富士急行が創立100周年記念で冨士急三十六景を発表 伝統木版で現代の富士を描く
山梨県富士吉田市に本社を置く富士急行株式会社は2026年9月18日、創立100周年を迎えた。同社はこれを記念し、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」をオマージュした木版画作品群「冨士急三十六景」を発表した。江戸時代から受け継がれる伝統木版技法を用いて制作された10作品が公開されている。
伝統木版技法で描く現代の富士山麓の風景


「冨士急三十六景」は、100年にわたり交通・観光・文化を通じて富士山麓の魅力を発信してきた富士急グループの歩みと、現代における富士山麓の風景を記録する企画である。江戸時代の浮世絵が当時の風景や人々の営みを記録したメディアであった形式を踏襲し、現代の観光客や昔の旅人、海外からの旅行者など多様な人々が富士山麓で過ごす姿を描き込んでいる。


制作を手がけたのは、安政年間(1855~1860年)創業で160年以上の歴史を持つ浮世絵木版画工房「高橋工房」である。作品は2007年に経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定された「江戸木版画」の技術を用い、絵師、彫師、摺師の手仕事によって一色ずつ和紙に摺り重ねて仕上げられた。



今回公開されたのは、富士急グループを代表する施設や風景をモチーフにした以下の10作品である。

- 富士山麓電氣鐵道:創業時の社名を冠し、三ツ峠駅〜寿駅間の「がんじゃ踏切」と創業当時の「モ1号」を踏襲した車体を描いた一景。
- 富士ゴルフコース:1935年開場のコースと名物「角栄松」を描写。
- アウトドアリゾート「PICA」:「PICA Fujiyama」を舞台にキャンプやサウナを楽しむ人々を表現。
- 山中湖と富士急バス:バスの車内と山中湖遊覧船「白鳥の湖」、水陸両用バス「YAMANAKAKO NO KABA」、遊覧船「天晴」が共演する風景。
- 富士急ハイランド:絶叫アトラクションと富士山に加え、キャラクター「絶叫戦隊ハイランダー」を配置。
- ホテルマウント富士「はなれの湯」:露天風呂から富士山と山中湖を一望する様子を描画。
- 初島:初島灯台や「初島レモン」のモニュメント、植物「竜舌蘭」などを描写。
- 箱根遊船:「箱根遊船 大茶会」と「箱根遊船 SORAKAZE」の2隻や箱根神社の平和の鳥居を配置。
- スノーパーク イエティ:白銀のゲレンデを滑走する様子を木版画技法「雲母刷り」を交えて表現。
- 富士芝桜まつり:富士山麓を彩る約50万株の芝桜とミニ芝桜富士を描写。


絵師と専門家によるコメント
絵師を務めた美術作家の田村久美子氏は、「『現代に北斎がいたら、どんな絵を描くだろう』。この企画のお話しをいただいてから、この問いと共に描いてきました」と制作過程を振り返り、職人とともに作り上げた作品が時代を越えて人々を魅了することを願う旨を述べている。
また、太田記念美術館主席学芸員の日野原健司氏は、現代のレジャーと江戸時代の人々がユーモラスに描かれている点や、多くの人の手仕事による木版画の制作技法が持つ意義について触れ、作品の特色を解説している。
10月10日より作品を展示
作品は2026年10月10日(土)より、ハイランドリゾート ホテル&スパの地下1階にて展示される予定となっている。展示期間の終了日は未定である。あわせて、特別グッズやお土産の展開、作品の販売についても検討が進められている。
会社概要
- 社名:富士急行株式会社
- 代表者:堀内光一郎
- 設立:1926年9月18日
- 所在地:【本社】山梨県富士吉田市新西原5丁目2番1号、【東京本社】東京都渋谷区初台1丁目55番7号
- 事業内容:レジャー・サービス業、運輸業、不動産業
- 株式上場:東証プライム
- 公式HP:https://www.fujikyu.co.jp/
本記事は富士急行株式会社の発表をもとに作成しました。
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