飲食料品の消費税減税、活性化につながるは18.0% 帝国データバンク調査
帝国データバンクは、飲食料品の消費税率引き下げに関する企業の見解についての調査結果を公表した。政府が検討する飲食料品の税率引き下げが日本経済の活性化に「つながる」と回答した企業は18.0%にとどまり、「つながらない」が54.5%となった。自社の売り上げへの影響についても76.9%が「変わらない」と見込んでおり、業種間で影響の受け止め方に大きな違いが出ている。
経済活性化への波及効果に慎重な見方が過半数
飲食料品にかかる消費税率の引き下げが日本経済の活性化につながるか尋ねたところ、「活性化につながる」は18.0%にとどまった。一方で「活性化につながらない」は54.5%、「分からない」は27.4%となり、否定的な見方が肯定的な見方の約3倍に達した。
この結果は引き下げそのものへの賛否を示すものではなく、企業からは2年間という期限付きの実施期間や対象範囲、財源などを踏まえて効果を慎重に見極める意見があがっている。具体的には「2年間では、税率を戻す際に消費控えが起きる。恒久的でなければ効果は弱い」といった声や、「全産業を一律に下げないと、企業の設備投資も伸びない」といった指摘が寄せられた。
自社売り上げへの影響は「変わらない」が76.9%
自社の売り上げに及ぼす影響については、「変わらない」とした企業が76.9%を占めた。「増加」を見込む企業は7.9%、「減少」は3.1%、「分からない」は12.0%となっている。

「分からない」を除いて試算した全産業の期待売上増減率は+0.16%となった。増収を見込む企業からは食料品の減税による家計の余力が他商品の購入へ波及することを期待する声がある一方、資材費や輸送費の税率が変わらなければ製品価格への反映が難しく効果は限定的だとする意見も出ている。
食品小売が増収を見込む一方、外食関連は減収を懸念
業種別の見通しでは、政策との関わりが強い分野で回答の差が顕著となった。

飲食料品小売では40.9%が増収を見込み、期待売上増減率は+1.58%となった。各種食料品小売(+2.63%)や料理品小売(+1.35%)などでプラスの見通しが示され、飲食料品・飼料製造でも29.9%が増収を見込み+1.14%となった。
これに対し、飲食店では46.9%が減収を予想し、期待売上増減率は▲3.94%となった。旅館・ホテルも▲0.74%となったほか、食堂・料理店等は▲3.53%、酒場・ビヤホール等は▲7.57%と落ち込みを見込んでいる。店内飲食の税率が据え置かれる場合、家庭向け食品との価格差によって内食や中食へ需要が移ることへの警戒感が強い。
飲食料品卸売では26.0%が増収、18.9%が減収を見込み、期待売上増減率は▲0.31%となった。内訳をみると乾物・缶詰等は+2.16%を見込む一方、酒類は▲2.98%、穀類・豆類は▲1.84%、野菜・果実は▲0.64%となり、販売先が小売向けか外食向けかによって見通しが分かれている。

調査概要
- 調査期間:2026年8月18日~8月31日(TDB景気動向調査2026年8月調査とともに実施)
- 調査対象:全国2万2,060社
- 有効回答企業数:1万560社(回答率47.9%)
- 前提条件:調査時点で示されていた政府の基本方針(2027年4月から2年間、飲食料品の税率を8%から1%へ引き下げ、その後8%へ戻し、給付付き税額控除へ移行)を前提に実施
本記事は帝国データバンクの発表をもとに作成。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



