ASTRA FOOD PLAN、タマネギぐるりこの香り成分を分析
フードテックスタートアップのASTRA FOOD PLAN株式会社は、玉ねぎの未利用部位を独自技術で乾燥・殺菌して食品素材にアップサイクルした「タマネギぐるりこ」の香り成分を分析した。
今回の分析では、「タマネギぐるりこ」から炒め玉ねぎのような濃厚な香りに関わる成分が高い数値で検出された。食品原料として少量でも玉ねぎの香りや風味を付与できるため、使用量を抑えることによる原料コストの低減や仕込み工程の削減につながることが期待されている。

ASTRA FOOD PLAN株式会社は、剥き玉ねぎの芯や硬い部分などの未利用部位(茶皮は除く)を活用し、独自の乾燥装置「JOSEN」を用いて約400℃の高温水蒸気で10秒という短時間で乾燥させた「タマネギぐるりこ」を製造している。
自社調べによる乾燥玉ねぎ(エアードライ品)との比較では、玉ねぎ特有の香りを構成する主要な香気成分の一つであるジプロピルジスルフィドが約135倍含まれることを確認していた。今回は食品素材としての風味を評価するため、ソテーオニオンやフライドオニオンを比較対象として追加の分析を実施した。
分析の概要は以下の通りである。
- 分析機関:分析テクノサービス
- 分析手法:GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析法)
- 分析対象:タマネギぐるりこ、ソテーオニオン4種(生タマネギ重量に対する加熱歩留まり70%、50%、30%、20% ※)、市販フライドオニオン
- 分析成分:ジメチルジスルフィド、(Z)-メチル1-プロペニルジスルフィド(cis体)、(E)-メチル1-プロペニルジスルフィド(trans体)、(E)-メチル1-プロペニルトリスルフィド(trans体)、(Z)-メチル1-プロペニルトリスルフィド(cis体)の5種類の硫黄化合物
濃厚な香り成分が高数値で検出、フレッシュな風味も確認

分析の結果、加熱したタマネギを思わせる濃厚な香りに関わる成分((E)-メチル1-プロペニルトリスルフィド(trans体))は、ソテーオニオン70%比で約238倍と最大の差が見られたほか、ソテーオニオン20%比で約3.5倍、フライドオニオン比で約40倍となった。

また、濃厚で硫黄系の香りに関わる成分((Z)-メチル1-プロペニルトリスルフィド(cis体))も、ソテーオニオン70%比で約193倍、ソテーオニオン20%比で約2.8倍、フライドオニオン比で約22倍となった。いずれの成分も比較したすべてのソテーオニオンおよびフライドオニオンを上回った。
さらに、フレッシュなタマネギのような香りや特徴的な香りに関わる成分も幅広く含まれており、フレッシュな香りと加熱した濃厚な香りがバランス良く共存していることが確認された。同社は、過熱水蒸気を利用して5~10秒という短時間で乾燥・殺菌を行う「JOSEN」の技術により、香気成分の損失を抑えながら加熱による風味を引き出しているためとみている。
「タマネギぐるりこ」は、すでにカレーパンのフィリング、ハンバーグ、オニオンブレッド、オニオンバター、キッシュ、アヒージョなどの飲食店や食品メーカーの商品・メニューに採用されている。
食品開発においては、以下のメリットが挙げられている。
- 少量使用による原料コストの削減
- 皮むきやみじん切り、炒め工程などの仕込み時間・作業負担の削減
- 粉末状かつ常温保管が可能なことによる保管スペースの有効活用
- 天候による玉ねぎの価格変動に対し、使用量や原料コストの管理が容易になる点

また、油と一緒に加熱することで、炒め玉ねぎのような濃厚な香りに関わる成分が加熱前より増加することも確認されている。
ASTRA FOOD PLAN株式会社の概要

ASTRA FOOD PLAN株式会社は、過熱水蒸気を用いて食品を短時間で乾燥・殺菌する装置「JOSEN」を開発し、野菜類の未利用部位や規格外農作物などを食品パウダー「ぐるりこ®」へアップサイクルする事業を展開している。2025年2月には家庭向けEC販売も開始した。
- 会社名:ASTRA FOOD PLAN株式会社
- 代表取締役:加納千裕
- 本社所在地:埼玉県富士見市鶴瀬東1-10-26
- 設立:2020年8月
- URL:https://www.astra-fp.com/
本記事はASTRA FOOD PLAN株式会社の発表をもとに作成。
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