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シェアメディカル、医療AI基盤MediLine Engineを発表

医療ICT事業を展開する株式会社シェアメディカル(東京都千代田区大手町、代表取締役:峯 啓真)は、医療現場において生成AIを安全かつ実用的に利用するための医療AIプラットフォーム「MediLine Engine」を発表した。

同プラットフォームは、AIモデルの外側に安全性を担保する制約や実行統制、検証、監査の仕組みを置く「医療AIハーネス」と呼ばれる安全アーキテクチャを採用している。電子カルテベンダーでの先行採用が進んでおり、機能を組み込んだAI電子カルテが2026年中にリリースされる予定となっている。

安全性を担保する医療AIハーネスと権限分離の設計

MediLine Engineは、AIそのものを賢くするのではなく、医療業務ごとに外部から実行可能な境界を定義する仕組みを備えている。AIモデル側には必要能力の下限である「Minimum Capability Floor(MCF)」を、AI機能側には許可される推論の上限である「Inference Boundary」を設定し、モデルの能力と実行権限を明確に分離する。

また、安全対策をプロンプトだけに委ねず、構造化されたSafety Policyを実行制約へと展開する設計を採用した。結果の検証や証跡化までを含め、「Policy → Compile → Execute → Verify → Audit」という一貫した安全実行ライフサイクルを構築している。

医療業務を機能契約として定義するFaaPと開発環境

同プラットフォームでは、AI機能の単位として「FaaP(Function-as-a-Product)」という設計を採用している。FaaPは以下の4つの要素から構成される。

  • Functional Contract(入力・出力および担当する医療業務の定義)
  • Execution Pattern(ユーザー操作やデータ更新トリガーなどの実行方式)
  • Safety Policy(AIに許される医療上の安全境界)
  • Performance Requirements(業務に必要な応答性能)

安全性と性能を単一スコアで競わせず、安全要件や必要能力を満たした候補の中からレイテンシやコストを最適化する。

FaaPを構築するための開発環境「AI関数スタジオ」では、自然言語で実現したい業務を対話形式で入力することで、実行条件などを構造化した実行契約を定義できる。組み込みに必要な項目は仕様書として取得でき、AIを用いた開発にも活用できるとしている。

約40種類の医療データ連携とLLM Intelligence Router

プラットフォームには、医薬品情報や添付文書、PMDAが公開する回収情報、診療ガイドライン、診療報酬、ICD-10など、約40種類の医療データ・ツールが標準で用意されている。AI関数スタジオを通じて業務に必要なツールが組み合わされ、推測に頼らない処理の共通資源として利用される。

また、業務ごとに生成AIを使い分ける「LLM Intelligence Router」を搭載する。PHIや利用条件などのHard Gateを通過し、必要能力とSafety Policyを満たしたモデルの中から最適なものを選択する仕組みとなっている。本技術は特許出願中の「複数生成AI利用システム及びプログラム」(特開2026-70499(P2026-70499A))の技術的実体とされている。

ChatGPTやClaudeなどから医療データに接続するMCP方式と、電子カルテや医療システムへ組み込むFaaP/API方式の双方に対応し、共通基盤として安全統制を提供する。

今後の展開

すでにMediLine Engine上で定義されたFaaP関数は電子カルテベンダーでの先行採用が進んでおり、FaaPによるAI機能を組み込んだAI電子カルテが2026年中にリリースされる予定となっている。

今後は開発中の「AI関数スタジオ」の段階的な一般開放も目指しており、専門知識を持たない医療従事者や医療機関、システムベンダー自身が安全な医療AI機能を設計・実装できる環境づくりを進める方針だ。

  • サービス名:MediLine Engine
  • 公式サイト:https://mcp.mediline.jp

本記事は株式会社シェアメディカルの発表をもとに作成されています。

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