小松マテーレ、炭素繊維撚り線によるCABKOMA工法で建築技術性能証明を取得
小松マテーレ株式会社は、「CABKOMA®(カボコーマ)工法-炭素繊維撚り線(より線)ブレースによる水平構面補強工法-」において、一般財団法人日本建築総合試験所(略称GBRC)の建築技術性能証明を取得しました。本工法は、軽量かつ柔軟な炭素繊維撚り線を耐震補強用ブレース材(筋交い)として用いる技術です。工場の操業を止めずに短い工事期間で耐震補強を行うことが可能となります。
開発の背景と経緯
日本国内において、1981年の新耐震基準施行前に建設された鉄骨造の工場や倉庫などでは耐震性能の不足が課題視されており、利用者の安全確保やBCP(事業継続計画)の観点から建て替えや耐震補強が急務とされています。一方で、操業を止められない稼働中の工場では、従来の鋼製ブレースを用いた施工が困難なケースが多く存在していました。
小松マテーレ株式会社は、2019年に材料としてのJIS標準化(JIS A 5571)を実施しました。鋼製ブレースと同等の性能を持ちながら軽量かつ柔軟という特性を持つ炭素繊維撚り線の特長を活かし、工場稼働を止めずに短い工事期間で屋根面の耐震補強を行えるCABKOMA®工法を開発しました。開発にあたっては「炭素繊維撚り線研究会」を発足し、日本女子大学、金沢工業大学、石川県などの有識者による学術データの積み上げを行って性能証明取得に至りました。
建築技術性能証明の概要と工法の特長
建築技術性能証明は、学識者等により構成される委員会が新しく開発された建築技術の性能を第三者の立場から審査し、性能証明書を発行する制度です。本証明の取得により、信頼性の向上や行政手続きの円滑化、建築主・設計者・施工者の採用判断が容易になることによる技術の普及・促進が期待されます。
CABKOMA®工法には以下の特長があります。
- 工場内における主要設備の移設や操業を止めずに耐震補強工事が可能
- 軽量で柔軟な材料を用いるため、施工費、仮設費、運搬費を削減でき、従来工法に比べ総工事費の削減が可能
- 部分的な足場の設置のみで高所の屋根面でも効率よく施工でき、従来工法に比べ施工性に優れ工事期間の短縮が可能
- 各種実験データにより必要な剛性および耐力を有することを確認しており、鋼製ブレースと同等の必要な耐震性能(剛性、耐力)確保が可能
今後の展開と販売目標
小松マテーレ株式会社は、本性能証明の取得により工法のさらなる普及拡大が期待されることから、主に老朽化した工場や物流倉庫のほか、公共施設などの耐震化を推進し、全国へ展開していく方針です。安全で災害に強い社会の実現への貢献とともに、事業者のBCP対策をサポートするとしています。
販売目標として、2030年度に100万㎡(ex.5,000㎡の工場が200棟相当)の工場などへの普及を目指します。
参考情報
性能証明の概要および製品情報は以下の通りです。
- 技術名称:CABKOMA®工法-炭素繊維撚り線(より線)ブレースによる水平構面補強工法-
- 申込者:小松マテーレ株式会社
- 性能証明機関:一般財団法人日本建築総合試験所(略称GBRC)
- 性能証明番号:GBRC 性能証明 第26-11号
- 協力機関:日本女子大学、金沢工業大学、石川県他
CABKOMA®の主な特長
- 軽量(比重は鋼材の1/5)
- 引張に強い
- 錆びない
- 耐久性に優れる
- 結露しない
- 作業現場の運搬が容易
なお、小松マテーレ株式会社は「古い工場建物の稼働を止めない耐震補強工法のための炭素繊維撚り線に関する開発」において、同社として42年ぶり、2度目となる2025年度繊維学会「技術賞」を受賞しています。CABKOMAは小松マテーレ株式会社の登録商標です。

本記事は小松マテーレ株式会社の発表をもとに作成されています。
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