メタジェンセラピューティクス、大学ファンドから約1.9億円調達 累計68.4億円に
腸内細菌研究に基づいた医療・創薬事業を手がけるメタジェンセラピューティクスは、2026年9月に実施されたシリーズBエクステンションラウンドのファーストクローズにおいて、2つの大学ファンドを引受先とする総額約1.9億円の第三者割当増資を実施した。今回の調達により、交付決定済みの助成金を含む累計調達額は68.4億円に達した。調達した資金をもとに北海道大学や名古屋大学との協力体制を強化し、腸内細菌医療に関する事業の加速を図るとしている。
北大や名大関連の2ファンドから第三者割当増資を実施
今回の資金調達における調達額は1億9996万2954円で、第三者割当増資の形式で実施された。引受先となったのは以下の2ファンドである。
- 北海道大学Green Frontier Fund1号投資事業有限責任組合
- 東海研究開発1号投資事業有限責任組合
東海研究開発1号投資事業有限責任組合は、名古屋大学と岐阜大学を運営する国立大学法人東海国立大学機構の孫会社であるCentral Japan Innovation Capitalによって設立された。
代表取締役社長CEOの中原拓氏は、自身の出身校に関連する両ファンドからの出資について触れ、アカデミアとの連携を通じて科学的知見を積み重ねながら成果を着実に社会実装していく重要性を述べた。また、引受先各社もFMT医薬品および医療技術の発展や社会実装の後押しに向けた支援の姿勢を示している。
医薬品・医療技術の開発推進や便調達の体制強化へ
調達した資金は、主に以下の使途に充てられる予定となっている。

- FMT医薬品の開発推進(潰瘍性大腸炎治療薬「MGT-006」の臨床開発推進)
- FMT医療技術の開発推進(潰瘍性大腸炎を対象とした「MGT-001」の臨床試験実施、消化器がんを対象とした「MGT-007」、パーキンソン病を対象とした「MGT-008」の推進)
- 腸内細菌ドナーからの便調達や治験薬製造をはじめとするサプライチェーンの最適化
同社は、山形県鶴岡市に開設した日本初の献便施設「つるおか献便ルーム」を拠点として、医薬品の原材料となる便を安定的に調達するための独自サプライチェーンを構築・運用している。
難病やがんを対象とした腸内細菌叢移植の臨床開発
腸内細菌叢移植(FMT)は、健康な人の便に含まれる腸内細菌叢を患者の腸に移植し、バランスのとれた状態を再構築する治療方法である。
医療技術開発において同社は、潰瘍性大腸炎を対象とした「抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法」の先進医療B(2023年1月開始、2025年8月研究終了)で寛解導入率45.9%を達成し、重篤な有害事象は認められなかったとしている。さらに、消化器がんやパーキンソン病を対象とした臨床研究も進めている。
医薬品開発では、2026年5月より潰瘍性大腸炎を対象とした「経口FMT医薬品」の日米での第1相/第2相臨床試験を開始した。この開発は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」に採択されている。
同社は順天堂大学、慶應義塾大学、東京科学大学発のベンチャー企業であり、腸内細菌叢バンクを基盤に医療サービス事業と創薬事業を展開している。
- 会社名:メタジェンセラピューティクス株式会社
- 本社所在地:山形県鶴岡市覚岸寺字水上246-2
- 代表者:代表取締役社長CEO 中原拓
- 設立日:2020年1月17日
- 事業内容:マイクロバイオームサイエンスを活用した創薬・医療事業
本記事はメタジェンセラピューティクスの発表をもとに作成。
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