災害時の下水処理、自治体の過半数が対応の切り替え基準や事業者確保に課題
仮設水処理プラントのレンタルを手がけるセイスイ工業株式会社は、全国の自治体で下水道業務に携わる職員108名を対象に「災害時の下水処理継続と事業者の選び方に関する実態調査」を実施した。調査の結果、バキューム車や一時貯留で対応できる水量や期間を「把握できていない」自治体が50.0%に上ることが分かった。また、災害時の下水処理を担う事業者の確保・選定に対しても76.0%が課題を感じている実態が明らかになった。
移送や一時貯留の限界把握と切り替え基準の策定に遅れ
災害や事故で下水処理施設の機能が低下・停止した場合の対応手段(複数回答)について尋ねたところ、「住民への下水道の使用制限・流入抑制の呼びかけ」が39.8%で最も多く、次いで「バキューム車による汚水・汚泥の搬出」が38.9%、「貯留槽や槽内での一時貯留で持ちこたえる」が36.1%となった。
一方、バキューム車や一時貯留による対応で持ちこたえられる水量や期間の把握状況については、「全く把握できていない」が14.8%、「あまり把握できていない」が35.2%となり、合わせて50.0%が把握できていないと回答した。また、これらで対応しきれない場合における次の対応への切り替え判断基準に関しても、「特に定めていない」が12.0%、「現在検討している」が40.7%となり、半数以上で基準の策定が進んでいない現状が浮き彫りとなった。

長期の運転管理体制が重視される一方、事業者の確保に課題


災害時の下水処理対応を外部の事業者に依頼する際、特に重視する項目(上位3つまで回答可)では、「復旧まで長期間、運転管理を続けられる体制」が45.4%で最多となり、「流入量に追いつく処理能力・機材の保有量」が42.6%、「貯留から処理まで段階的に立ち上げる計画の提案力」が27.8%と続いた。


しかし、仮設水処理設備の設置から運転管理まで相談できる事業者の確保状況については、「全くできていない」(5.6%)と「候補となる事業者の情報収集にとどまっている」(33.3%)を合わせた38.9%が確保できていない状態にある。さらに、災害時の下水処理を担う事業者の確保や選定について課題を感じているかという問いには、「非常に感じている」(20.4%)と「やや感じている」(55.6%)を合わせて76.0%が課題を感じていると答えた。

課題を感じていると回答した対象者に具体的な内容(複数回答)を聞いたところ、「緊急時の連絡体制や協定の整備が進んでいないこと」が47.6%で最も高く、次いで「予算の確保が難しいこと」が41.5%、「事業者を比較・選定する基準がないこと」が34.1%となった。


今後の優先事項は事前相談や協定締結、対応手順の明文化
災害時の下水処理に備えて今後優先的に取り組みたいこと(上位3つまで回答可)としては、「事業者との事前相談や協定の締結」が43.5%でトップとなった。次いで「切り替えの判断基準や、仮設水処理を含めた対応手順の明文化」が38.9%、「バキューム対応で持ちこたえられる範囲の整理」が30.6%、「対応できる事業者の情報収集・リスト化」が29.6%となった。

自由回答では、「事業者数、車輌等、ハード面での数量不足」や「費用対効果と信頼できる会社がどうか見定めるのが難しい」といった現場からの懸念も寄せられた。

セイスイ工業株式会社は、排水・汚泥処理プラントやデカンタ型遠心分離機などのレンタル事業を展開している。
- 会社名:セイスイ工業株式会社
- 設立:1974年4月
- 代表取締役:井本 謙一
- 所在地:千葉県千葉市若葉区上泉町424-18 ちばリサーチパーク内
- 事業内容:排水、汚泥処理のプランニング/排水、汚泥処理プラントのレンタル/デカンタ型遠心分離機のレンタル/各種水処理機器のレンタル/【NETIS】土木泥水再利用システム(震災対応)/【NETIS】汚染土壌分級システム(震災対応)/株式会社IHI ビジネスパートナー
- URL:https://seisui-kk.com/
本記事はセイスイ工業株式会社の発表をもとに作成。 URL:https://seisui-kk.com/
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