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ファストドクターら、在宅医療の診療報酬算定向けAI BPO業務システムを開発

ファストドクター株式会社を中核とするファストドクターグループは、グループ会社の株式会社クラウドクリニックと協働し、在宅医療特有の複雑な診療報酬算定に対応する「AI BPO型の業務システム」を開発しました(特許出願中)。本システムは、AIエージェントとルールエンジン、専門スタッフが連携して算定から医事会計システムへの登録までを行うものです。これにより、1カルテあたりの算定作業時間を従来比で約75%削減しました。

開発の背景と在宅医療における課題

在宅医療では、医師や看護師が患者の自宅や施設を訪問して診療を行います。その運営を支える診療報酬算定は、患者がひとり暮らしの自宅か複数の入居者がいる施設かといった居住形態や、同月内の別の診療履歴、訪問種別など多様な情報の照合が必要であり、外来診療とは異なる複雑さを持っています。また、診療報酬制度は2年ごとに改定されるため、最新ルールへの対応体制を自院だけで維持することは容易ではありません。

専門性の高い在宅医療の算定業務は外部委託(BPO)の費用が医療機関の負担になりやすいという課題がありました。そこで両社は、従来のBPOにAIエージェントや業務システムを組み込んだ「AI BPO」を構築し、算定業務の生産性を高め、医療機関が利用しやすい価格で支援を受けられる体制づくりを目指して本システムを開発しました。

本システムは、診療記録の確認から算定候補の作成、医事会計システムへの入力までの一連の工程を、人とAIが連携して進める形に再設計しています。

  • 診療記録の確認:AIエージェントが、医師の自由記述を含む診療記録から算定に必要な情報を抽出
  • 情報の整理:訪問種別、診療時刻、傷病名、施設種別など、在宅医療特有の複雑な算定文脈を抽出・構造化
  • 算定候補の作成:制度上のルールに基づき判定を行うルールエンジンが、診療報酬制度に基づき算定候補と根拠を生成
  • 確認・修正:専門スタッフが算定候補を確認し、必要に応じて修正・承認
  • 登録:承認された算定内容を医事会計システムへ登録
  • 改善:確認・修正の履歴を蓄積し、ルールや抽出処理、医療機関ごとの運用に応じた調整に活用

算定結果をAIだけに委ねず、根拠となった情報とルールを専門スタッフが確認できる形で提示します。一部の医療機関における対象範囲を限定した検証では、提示された算定候補と専門スタッフの確認結果が全件一致するケースも確認されています。なお、個人情報・医療情報は保護に配慮した環境で処理され、AIモデルの学習目的では利用されません。コア技術については特許を出願しています。

医療機関側のメリットと今後の展開

作業時間が従来比で約75%削減されたことで、株式会社クラウドクリニックのサービスを利用する医療機関は、相場価格の半額水準で診療報酬の算定業務を外注できるようになります。これにより業務面と費用面から負担を軽減し、医療従事者や事務スタッフが診療や患者対応に注力できる環境を支援します。

ファストドクターグループは、2026年4月に病院向けとして外来診療の診療報酬算定業務を自動化する「算定エージェント」を発表しています。今回のシステムは在宅医療領域のBPO支援を目的としており、今後も医療現場の業務変革「医療AX(AIトランスフォーメーション)」を推進するとしています。

  • 所在地:東京都渋谷区恵比寿4丁目20-3
  • 設立:2016年8月
  • 代表者:菊池 亮(医師)・水野 敬志
  • URL:https://fastdoctor.jp/corporate/

本記事はファストドクター株式会社の発表をもとに作成されています。

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