ネオスの企業AI活用調査、定着は平均8.5%でナレッジ未整備が課題に
テクミラホールディングスの子会社でAIエージェントサービス「OfficeAI社員」を提供するネオス株式会社は、全国の就業者500名を対象に実施した企業のAI活用実態調査の結果を発表した。

調査では、AIの用途別で「活用が定着」している割合が9用途平均でわずか8.5%にとどまる実態が明らかになった。同社は、ツールを導入しても成果が出ない要因について、AI活用の成果を左右する社内ナレッジの棚卸しが手つかずのまま残されている点にあるとしている。
活用の定着は平均8.5%にとどまり個人の努力に依存
導入しているAIサービスとしては「Microsoft365 Copilot」が39.4%で最多となり、「国内ベンダー系」が30.4%、「ChatGPT Biz/Ent」が28.2%と続いている。一方で、用途別の活用状況を見ると「定着」比率が最も高いのは「資料作成」の14.2%で、最も低いのは「暗黙知の継承」の6.8%となり、社内の知識を前提とする用途ほど定着が進んでいない状況が示された。


生成AIを活用できている要因については、「他人の事例参照・人から教わった」(35.8%)と「業務時間外の自習・独学」(33.8%)を合わせた69.6%が自主的な学びによるものだった。これに対し、体系的な社内研修・教育があると回答したのは26.0%にとどまり、組織的な仕組みではなく個人の努力に依存している現状が浮き彫りとなっている。

業務ノウハウの言語化やナレッジ整理の遅れ




業務ノウハウや判断基準の文書化・共有については、「一部のみ言語化」が37.0%、「ほとんど個人の頭の中(属人化)」が25.2%となり、合わせて62.2%が未言語化の状態であることが分かった。言語化・共有できている割合は13.8%にとどまる。
また、社内ナレッジを体系的に整理・最新化できている企業は14.2%にとどまり、「一部の部門・領域だけ」(39.8%)と「散在・ほとんど未整理」(25.6%)を合わせた65.4%が整理を終えないままAIを利用している。その一方で、48.4%が整理不十分のまま高度なAI活用へ進もうとしている実態も明らかになった。

社外AIの利用による情報流出リスクと測定困難なROI

社内ナレッジが未整備であることの代償として、会社が許可・管理していない外部AI(Shadow AI)を業務に利用した経験がある就業者は58.6%に上った。社外AIに入力された情報の内訳は「社内資料」が45.7%、「契約書・仕様書」が24.9%、「顧客・取引先情報」が22.9%となり、機密情報が社外へ流れている状況が確認されている。さらに、汎用的なAIが社内についての質問に答えられない、または誤答が返ってきた経験を持つ人は64.7%にのぼる。
また、導入やPoCで測定可能なROIを「明確に確認できている」と答えたのは11.8%にとどまり、「部分的に確認」(41.0%)、「確認できていない/未達」(19.4%)、「測定していない」(16.8%)を含めた88.2%が明確なROIを確認できていないと回答した。AIの導入・活用を阻む要因としては「使いこなす人材・スキル不足」(42.8%)や「セキュリティ・情報漏洩不安」(28.4%)などが上位に挙げられている。
ネオスは、AI活用の成否を分けるのは技術ではなく順序であるとし、以下の3ステップを提言している。
- 診断・棚卸し:社内ナレッジと判断基準を言語化・構造化し、探索コストを可視化する
- 基盤化・実証:社内データに基づく回答生成(RAG)と権限・監査を整備し、探索削減KPIで効果を測る
- 全社展開・エージェント化:再設計された業務フローへ実装し、型を共有して全社へ展開する
ネオス株式会社AX事業本部副本部長の菊地宏之氏は、企業のAI活用の成否を分けるのはモデルの新しさや導入率ではなく社内に眠る過去の答えを安全かつ即座に引き出せるかどうかにあり、ナレッジ基盤の整備を起点に据えることが重要である旨を述べている。
調査および会社概要
本調査の概要は以下の通りである。
- 調査名:企業のAI活用に関する実態調査(『企業AI白書 2026』)
- 調査対象:全国の就業者
- 有効回答数:500名(うち生成AI利用者 346名)
- 設問数:全28問
- 調査手法:インターネット調査
- 実施期間:2026年7月
- 調査主体:ネオス株式会社
ネオス株式会社の概要は以下の通りである。
- 商号:ネオス株式会社
- 本社:東京都千代田区神田須田町1-23-1 住友不動産神田ビル2号館
- 代表者:池田 昌史
- 事業内容:情報通信サービスおよびソフトウェア、コンテンツ開発
- URL:https://www.neoscorp.jp
本記事はネオス株式会社の発表をもとに作成。
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