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スペースシードHD、インドネシアの食品加工現場視察 水産残渣の発酵活用を提案

スペースシードホールディングス株式会社(SSHD)は2026年8月10日、インドネシア・ゴロンタロ州の食品加工事業者BMS(Bilal Mekar Snack)を訪問し、マグロの加工残渣を食品へ加工する生産現場を視察した。現地にはPT Awina Sinergi International 代表取締役社長のAnanda Setiyo Ivannanto氏やゴロンタロ州立大学のArfiani Rizki Paramata博士が同行した。同社は、ゴロンタロ州の農水産物を発酵させることで賞味期限を延ばしつつ付加価値を高めるアイデアを共有した。

現地食品加工現場の視察と三者協定の取り組み

今回の視察は、SSHD、PT Awina Sinergi International、ゴロンタロ州立大学 海洋水産技術学部の三者が同日に締結した「アグリビジネス及び持続可能な水産資源管理分野における研究、人材育成、及び産業化の推進に関する協力協定」に基づく最初の現地活動として行われた。

訪問先となったBMSは、Jl. Poowo, Kel. Bulotadaa Barat, Kec. Sipatana, ゴロンタロ市(インドネシア・ゴロンタロ州)に拠点を置く地場の食品加工事業者である。水産加工残渣の利用実態を把握し、発酵技術による保存性向上や高付加価値化の可能性を検討することが目的とされている。

伝統保存食アボンの製造と小規模事業者の課題

BMSは、マグロの加工工程で生じる残渣を加熱・ほぐし・調味・乾燥させ、フレーク状の伝統的な保存食「アボン・イカン・トゥナ(Abon Ikan Tuna=ツナのアボン)」を製造している。アボンは常温流通が可能で、冷蔵設備が十分でない地域にも届けられる利点がある。同社は燻製魚の辛味調味料「サンバル・サゲラ(Sambal Sagela)」なども手掛け、直営店舗のほかShopee、Tokopedia、BukalapakといったECプラットフォームや、Grab、Maximのデリバリーサービスを通じて販売している。

一方で、原料となる残渣の品質が季節や漁獲状況に左右される点や、無添加を志向するほど賞味期限が短くなる点、原料由来の風味のばらつきを調味で補う必要がある点など、小規模事業者に共通する課題も確認された。

発酵技術による保存性向上と高付加価値化の提案

SSHDは視察において、農水産物を対象とした発酵活用の方向性を提案した。提示された主な内容は以下の通りである。

  • 有用微生物を優占させてpHや水分活性を制御し、保存料に依存せず賞味期限を延ばす保存性の設計
  • 発酵過程のタンパク質分解で遊離アミノ酸やペプチドを増やし、うま味や栄養価を高めて機能をもつ素材として位置づけるアプローチ
  • アボンのような最終製品にとどまらず、調味料ベースや粉末素材など他社製品に組み込める中間素材として供給する展開
  • 加工工程で生じる副産物を飼料や肥料原料へ転換する設計

これらの提案は現時点でアイデアの共有段階であり、今後はゴロンタロ州立大学の研究設備や教員・学生の協力を得て、原料特性の把握や小規模な試作・評価から検証を進めるとしている。

SSHD代表取締役CEOの鈴木健吾氏は、残渣の活用は環境面だけでなく経済の観点でも重要であり、技術と設計によって同じ魚から得られる価値を高められるとしたうえで、発酵を通じて現場の工夫に技術と大学の知見を重ねていきたい旨を述べている。

視察に同行したArfiani Rizki Paramata博士は、水産学の研究者であるとともに、LPPOM MUI(インドネシア・ウラマー評議会 食品医薬品化粧品検査機関)ゴロンタロ州支部のハラール監査員およびBNSP認定のハラール監査資格を有している。

インドネシアではハラール製品保証庁(BPJPH)のもとで食品のハラール認証が制度化されており、加工度を高めるほど原料や工程の管理設計が求められる。SSHDは発酵技術の導入検討の初期段階からハラール適合と品質保証の視点を組み込み、地域事業者が国内外の市場へ展開できる体制を目指すとしている。

関係組織の概要

  • スペースシードホールディングス株式会社
  • 本社:東京都港区
  • 代表取締役CEO:鈴木健吾
  • 事業内容:宇宙系ディープテックベンチャービルダー、投資活動、研究活動、事業創出
  • URL:https://ss-hd.co.jp/
  • PT AWINA SINERGI INTERNATIONAL
  • 概要:A-Wing Group(AAI)のインドネシア法人で、再生可能エネルギーや環境ソリューション事業などを展開
  • URL:https://awina.co.id/

本記事はスペースシードホールディングス株式会社の発表をもとに作成。

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