次世代の飲料缶蓋「EcoEnd」の生産体制が構築完了、温室効果ガス排出量を4割削減

東洋製罐グループホールディングスの連結子会社である東洋製罐と株式会社UACJが共同開発した、温室効果ガス(GHG)排出量を現行品に比べて約4割削減した飲料缶用の蓋「EcoEnd」の生産体制構築が完了した。UACJにおける蓋材の生産体制の構築とリサイクル原料の調達対応、また、東洋製罐石岡工場における蓋製造設備対応が整ったことで、量産の準備が進められる。

「EcoEnd」は、リサイクル原料の使用量を大幅に引き上げることでGHG排出量を大幅に削減。現行の飲料缶蓋と比較し、10億枚当たりのGHG排出量が約1.3万t削減される。東洋製罐が国内で販売する飲料缶蓋がすべて「EcoEnd」に置き換わった場合、年間約14万tのGHG排出量削減が見込まれる。

(左)現在のアルミ容器材の循環フロー (右)「EcoEnd」が提案する新しい循環フロー

また、「EcoEnd」の素材は、新地金を減らし、使用済み飲料缶などのリサイクル原料の割合を増やすことで缶胴の成分に近づくため、溶解時点では「EcoEnd」と缶胴の素材は同じ「モノマテリアル」とみなすことができる。溶解後、成分調整を行い、「EcoEnd」と缶胴それぞれの素材に造り分けることで、従来どおり缶蓋と缶胴の特性の差を持たせることが可能となる。

UACJによる材料製造技術と東洋製罐による蓋成形技術を新たに組み合わせることで、リサイクル原料の使用量を増やした場合においても現行蓋と同等の品質性能を実現。国内向け「EcoEnd」の蓋の厚みに変更がないため、飲料充填後の蓋を取り付ける設備変更も不要となり、スムーズな置き換えが可能だ。

東洋製罐とUACJは、2023年2月6日付で業務提携契約を締結しており、「EcoEnd」の開発もこの提携における取り組みの一環。今後とも、本業務提携を通して、アルミ缶水平リサイクルのさらなる促進とサプライチェーン全体のGHG排出量の削減を目指す。