人的資本情報の開示、企業の36.9%が取り組む
人的資本情報の測定・開示に取り組む企業は36.9%にとどまっていることが、jinjer株式会社の調査で明らかになった。同社が企業の人事・総務担当者363名を対象に実施した「人的資本情報の開示状況に関する実態調査」によると、人的資本情報の測定・開示に「取り組んでいる」と回答した企業は36.9%で最多だったものの、「取り組む予定がない」と答えた企業も約20%近くに上った。
人的資本情報の開示状況の詳細については、「指標の目標設定はなく、一般的指標の開示のみ実施している」企業が26.1%で最も多く、次いで「指標の目標設定はあり、一般的指標の開示に加えて独自指標の開示を実施している」が22.2%、「指標の目標設定はなく、一般的指標の開示に加えて独自指標の開示を実施している」が20.4%だった。
人的資本の測定・開示の目的としては、「従業員の離職防止・定着の観点から」が66.5%で最多となり、次いで「新規人材の採用のため」が51.3%、「開示が義務化されているから」が36.5%、「経営戦略の実現のための人材戦略のため」が33%という結果になった。また、ベンチマークする標準規格としては、「人的資本可視化指針」が48.3%で最も多く、次いで「ISO30414」が46.1%、「SASBスタンダード」が32.6%だった。
具体的にデータ化が進んでいる人的資本の指標については、「残業時間」が64.3%で1位、「有給取得率」が59.6%で2位、「育休取得率」が57.8%で3位と、勤怠に関する情報が上位を占めた。次いで「女性管理職比率」が53.5%、「退職率」が42.2%、「総従業員数」が39.6%と、人に関する情報のデータ化が進んでいることがわかった。