山陰合同銀行など3社、デジタル証券活用モデルの構築に向け本格検討を開始
株式会社山陰合同銀行、株式会社NTTデータ、Securitize Japan株式会社の3社は2026年9月8日、デジタル証券を活用した新たな資金調達の実現に向けて、地域企業や地方公共団体への展開を見据えたデジタル証券活用モデルの構築に関する本格検討を開始したと発表しました。まずは山陰合同銀行自身を発行体とする社債型セキュリティ・トークン等の発行について実現可能性を検証します。この発行が実現した場合、地方銀行本体による社債型セキュリティ・トークンの発行・販売として初の事例(リリース時点、山陰合同銀行調べ)となります。なお、現時点は検討開始段階であり、具体的な取り組みの実施や発行は関係当局への確認や発行体の社内決定等を経て判断される予定で、確定したものではありません。
取り組みの背景
地域企業や地方公共団体では地域課題の解決や地域経済の活性化に向けた資金調達手段の多様化が課題となっており、地域金融機関には自治体や企業、住民との接点を生かした地域価値の共創が求められています。また、2026年5月27日に成立した第16次地方分権一括法により、2027年4月1日の施行をもって地方債をデジタル証券方式で発行可能とする制度整備が進められています。
山陰合同銀行は、2025年4月に開催した社内ピッチコンテスト「第3回 当行のミライを考える会」で最優秀賞を受賞したアイデア「ごうぎんデジタルグリーンボンド」を契機にデジタル証券活用の検討を深めてきました。その過程でNTTデータおよびSecuritize Japanの知見・機能と方向性が合致したことから、3社での協議・検討が進められてきました。
検討する仕組みと提供価値
本取り組みでは、山陰合同銀行が自ら社債型セキュリティ・トークンを発行し、投資家へ直接販売する「自己募集」型のスキームを検討します。山陰合同銀行が利用するNTTデータの共同利用型システム「地銀共同センター」と、Securitize Japanのデジタル証券プラットフォーム「Securitize PF」を連携させたサービス提供をめざします。
実現すれば、投資家は山陰合同銀行のインターネットバンキングからデジタル証券の申し込み画面へ遷移し、新たな証券口座を開設することなく小口・非対面で投資に参加できるようになる想定です。投資資金の払い込みや利金・償還金の受け取りも保有する銀行口座を通じて行う形を目指します。
本取り組みを通じて、地域企業には新たな資金調達手段の選択肢を提供し、地方公共団体にはデジタル地方債を活用できる仕組みづくりを進めます。地域金融機関にとっては、自治体・法人・個人向け金融サービスをつなぐ新たな接点の創出につながるとしています。
各社の役割と今後の展開

本取り組みにおける各社の主な役割は以下の通りです。
- 山陰合同銀行:本取り組み全体の企画、発行体としての検討、知見蓄積、将来的な地域企業・地方公共団体等向け支援の検討
- NTTデータ:「地銀共同センター」の提供者として「Securitize PF」との連携方式の検討、システム・サービス面での総合支援、デジタル証券活用モデルの検討支援
- Securitize Japan:「Securitize PF」の提供、「地銀共同センター」との接続実装、トークン化に関する設計・検討支援

3社は「地銀共同センター」と「Securitize PF」の連携方式をもとに商用展開に向けた具体化を進めます。将来的には「地銀共同センター」を共同利用する他の地方銀行などにも広げることで、地域金融の新たな資金調達インフラとしての展開をめざす方針です。
山陰合同銀行の吉川浩取締役頭取は、本取り組みを通じて得られた知見やノウハウを将来的に地域顧客の資金調達支援につなげ、持続的な発展に貢献したいとの考えを示しています。
各社概要
- 株式会社山陰合同銀行
- 所在地:島根県松江市魚町10
- 代表者:取締役頭取 吉川 浩
- URL:https://www.gogin.co.jp/
- 株式会社NTTデータ
- 所在地:東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル
- 代表者:代表取締役社長 鈴木 正範
- URL:https://www.nttdata.com/jp/ja/
- Securitize Japan株式会社
- 所在地:東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワー 6F
- 代表者:代表取締役 ジェイ・フランシスコ・フローレス
- URL:https://www.securitize.co.jp/
本記事は株式会社山陰合同銀行、株式会社NTTデータ、Securitize Japan株式会社の発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



