キヤノンMJ、IoTトコジラミ捕獲デバイス開発のValpasに出資

キヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)は、グローバル・ブレイン株式会社と共同運営するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「Canon Marketing Japan MIRAI Fund」を通じて、フィンランドのスタートアップ企業Valpas Enterprises Oyに出資した。Valpasは、ホスピタリティ業界向けにIoTを活用したトコジラミ捕獲デバイスとソフトを開発している。

トコジラミは人を吸血すると激しいかゆみを引き起こす害虫で、欧米や韓国では被害報告が増加している。日本でも海外からの旅行者の増加に伴い問題が拡大しており、殺虫剤に耐性を持つ個体の報告もある。トコジラミが発生した宿泊施設は、専門の害虫駆除業者による長期の洗浄作業が必要となり、コストとブランドイメージに大きな損失を被る。

Valpasが開発したIoTデバイスは、トコジラミの誘引・捕獲・駆除を行い、宿泊者への被害を事前に防ぐことで、宿泊機会の損失回避とブランドイメージ向上に貢献する。また、殺虫剤などの薬剤を使わないため、環境への負荷低減も実現する。

「Canon Marketing Japan MIRAI Fund」は、Well BeingとBusiness Transformationの2分野を投資領域としており、今回の出資では「Life Purpose」と「Regional Regeneration」の実現を目指している。Valpasの事業が旅行客の安心安全、ホスピタリティ産業の持続的な発展に寄与することを期待し、世界的な旅行者増加によるニーズの拡大を想定して、今回の資金調達に参画した。

キヤノンMJグループは、この出資を通じて「安心安全でサステナブルな旅行・観光の実現」というテーマで新たな事業の創出を目指す。また、グループの顧客基盤を活かした日本市場への事業拡大支援など、多面的なサポートによりValpasの事業成長に貢献していく方針だ。