沖縄美ら島財団など、ソテツの外来害虫被害実態と苗木流通による拡大の可能性を発表
一般財団法人沖縄美ら島財団総合研究所は、鹿児島大学、琉球大学、沖縄科学技術大学院大学(OIST)、九州共立大学、宮崎大学などとの共同研究により、沖縄県におけるソテツの外来害虫「ソテツシロカイガラムシ」の被害実態および被害拡大の要因に関する調査成果を発表しました。研究成果は国際学術誌「BioInvasions Records」に掲載されました。本種が付着した苗木の流通が被害拡大の要因の一つとなっている可能性が示唆されています。
沖縄島で500株以上の被害を確認
ソテツシロカイガラムシは、ソテツの葉を吸汁することで葉の褐変や落葉を引き起こし、重篤な場合には株全体を枯死させる害虫です。2023年頃に沖縄県国頭村で発生が確認されていましたが、その後の被害実態は不明となっていました。
共同研究グループが2025年2月時点で沖縄島、伊江島、伊平屋島、来間島、多良間島の計1,426株を調査したところ、沖縄島において536株の被害が確認されました。特に沖縄市と国頭村では、1箇所あたり100株以上の被害木が確認されています。一方、沖縄島以外の4島では被害は確認されませんでした。
また、沖縄島以外の島嶼を管轄する役場へのアンケート調査では、回答が得られた16か所の島嶼において、2025年6月時点で被害は確認されていないと報告されています。
苗木流通による拡大の可能性と媒介昆虫の調査

海外の発生地域では、本種が付着した苗木の流通が被害拡大要因の一つとされています。沖縄島内の植木市やホームセンター、苗木販売店の計31か所を調査した結果、2か所でソテツ苗木への付着が確認され、島内における苗木の流通が被害拡大要因の一つとなっている可能性が示唆されました。
あわせて、沖縄県全域に定着している外来害虫「クロマダラソテツシジミ」による伝播の可能性についても検証が行われました。沖縄島内で採取された成虫263匹の体表を調査したところ、本種の付着はいずれの個体でも確認されず、同種が媒介して伝播する可能性は低いことが示唆されています。
拡大抑制に向けた早期発見と早期防除
沖縄島ではすでに広域で本種が確認されているため根絶は困難とされており、島内における被害地域や個体からの拡大抑制に加え、沖縄島以外の島嶼や県外への拡大を防ぐことが防除対策の重要事項とされています。
対策として、苗木の購入や移動時に付着の有無を確認することや、早期発見・早期防除を可能にする沖縄県全体での取り組みが求められています。なお、本調査は令和5年度花博自然環境助成および令和6〜8年度農林水産研究の推進(委託プロジェクト研究)の助成を受けて実施されました。
沖縄美ら島財団について
沖縄県本部町に拠点を置く一般財団法人沖縄美ら島財団は、沖縄美ら海水族館や首里城公園などの管理運営を担う法人です。同財団の総合研究所では、亜熱帯性動植物や海洋生物、沖縄の歴史・文化に関する専門的な調査研究や技術開発、普及啓発活動を推進しています。
本記事は一般財団法人沖縄美ら島財団の発表をもとに作成されています。
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