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キリンと日本製鋼所、PETアルカリ解重合の実機実証で解重合率95%以上を達成

キリンホールディングスのパッケージイノベーション研究所と日本製鋼所(JSW)は、PET(ポリエチレンテレフタラート)を短時間で分解するアルカリ解重合技術について、量産化を見据えた実機設備による実証試験を実施した。試験の結果、解重合率95%以上を達成し、250kg/時間以上で安定してPETを分解する操業条件を確立した。二軸混練押出機を用いた同解重合法について、量産プロセスを想定した実証例としては国内初となる(ナレッジワイヤ調べ、2026年7月13日時点)。

ペットボトルをはじめとするPET製品の使用量が増加する中、飲料用ペットボトルに原料が限られる主流のメカニカルリサイクルに対し、ケミカルリサイクルは幅広いPET原料を高品質な再生PET樹脂へ再生できる可能性がある。一方で、従来の加水分解法やメタノリシス法、グリコリシス法などのケミカルリサイクル技術は高温や長時間の反応条件を必要とし、エネルギー効率やコスト面に課題があった。

これに対し、キリンが基礎技術開発を進めてきたアルカリ解重合技術と、JSWによる設備設計および操業条件の検討を融合させ、JSWの二軸混練押出機「TEXシリーズ」を用いた実機スケールでの実証試験が行われた。本実証では、加熱だけでなく機械による強い混ぜ合わせや摩擦などの力を利用して反応を促進するメカノケミカル反応を用いることで、少ないエネルギーかつ短時間での反応進行を可能にしている。

実証試験の成果と今後の発表予定

今回の実証試験では、量産プロセスの設計に必要な設備仕様や操業条件に関する知見を取得し、実用化に向けた技術的基盤が確立された。得られた主な成果は以下の通りである。

  • 解重合率95%以上を達成
  • 生産性250kg/時間以上での安定運転を実現
  • 量産設備設計に必要な設備仕様および操業条件に関する知見を取得

なお、本成果の詳細は、2026年9月に開催予定の公益社団法人化学工学会 第57回秋季大会で発表される予定となっている。

今後は本技術を基盤とし、PETの回収から解重合、再資源化までを含むリサイクルプロセス全体の開発が進められる。リサイクル対象には非食品用途PETを含む幅広い原料への適用を検証し、実用化に向けた取り組みを加速させる計画である。さらに、企業、自治体、研究機関など多様なパートナーとの連携を通じて社会実装を目指すとしている。

両社の資源循環に関する取り組み

キリングループは、「キリングループ環境ビジョン2050」において「容器包装を持続可能に循環している社会」を掲げ、「キリングループ プラスチックポリシー」では2027年までに日本国内の酒類・飲料用ペットボトルにおけるPET樹脂使用量の50%をリサイクル樹脂にする目標を設定している。リサイクルPET樹脂を100%使用した「R100ペットボトル」の採用拡大やケミカルリサイクル技術の開発を通じてPET資源循環の高度化を推進している。

一方のJSWグループは、樹脂機械事業部において二軸混練押出機「TEXシリーズ」を活用したリサイクル技術の開発を進めている。ケミカルリサイクル分野では、既に使用済みアクリル樹脂(PMMA)をモノマー化回収する連続式リサイクル技術を確立しており、広島技術開発センターでの研究開発を通じてプラスチック資源循環社会の構築を目指している。

本記事はキリンホールディングスおよび日本製鋼所の発表をもとに作成。

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