障がいを持つ人でも楽しめる、小型ゲーム機風の音楽ガジェット「かんぷれ」
InstaChord株式会社と中国のベンチャー企業M5Stackが共同開発した、ポケットサイズの電子楽器「かんぷれ -KANTAN Play core-」が6月8日からクラウドファンディングサイト「Kibidango」で予約受注を開始する。
この製品は、音楽経験の無い人や様々な障害で演奏を諦めていた全ての人が楽器演奏を楽しめることを目指して開発された。プログラムをオープンソースにすることで、製品が進化・成長するという従来の電子楽器にはない特徴がある。
特長として、音楽の知識不要、バリアフリー、指1本で6つの音を同時に奏でる、音楽制作を簡単に、製品自体が成長するという5つが挙げられている。
演奏には「コード記号」を「数字」に置き換えた楽譜を使い、ほとんどの曲は主に6種類の基本コードでできているため、1~6の数字を選ぶだけでたいていの曲を弾くことができる。また、インターネットに無料公開されている100万曲以上のコード譜を、数字に自動変換するアプリ「KANTAN コード」を使えば買ったその日からあらゆる曲を演奏できる。
障害などにより演奏が困難な場合も、USB接続したゲームコントローラーや、拡張ポートに接続したボタンなどに演奏操作を割り当てることができるので、その人の弾きやすい形状や操作方法の楽器を自由に作れる。
ドラム、ベース、ピアノ、ギター、管楽器、シンセサイザーなどの楽器アイコンを画面タップで選択し、最大6種類の楽器を同時に奏でることができる。また、コード進行、音色、フレーズを選択するだけで作曲・編曲が可能なので、楽器演奏が苦手でも思い通りの曲を素早くアレンジできる。
ソフトウェアはオープンソースで、ユーザーが自由に改変でき、GitHubで新しいファームウェアを公開したり改変したりでき、製品自体を進化・成長させることができる。
InstaChordは2021年に発売した電子楽器「インスタコード」で、楽器が苦手な人でも弾けることで評判を呼んだが、様々な障害のためにインスタコードですら弾くのが困難な人もいることに気づき、一人一人の障害や特性に合わせた製品をオーダーメイドで開発するには大きなハードルがあることから、ユーザーが自由にカスタムできるオープンソースの楽器というアイディアが生まれたという。6月8日から各地で体験会が開催される予定だ。