NIHON X、宿泊施設向けカビリスク管理システムのカビカルテ提供開始 自社調べ初
NIHON X株式会社は2026年9月2日、宿泊施設向けのカビリスク管理システム「カビカルテ」の提供を開始した。建物や室内の温湿度やCO2濃度などを常時計測してカビの発生リスクを可視化・記録し、予防から改善までを一貫して支援する仕組みだ。同社によると、継続計測と現地調査によるリスク可視化から改善提案、工事、改善後の継続検証までを一体で提供するシステムとしては日本初(2026年8月時点、同社調べ)になるという。
カビカルテは、カビが発生してから対処する従来の「治療型管理」から、数値データで予兆を捉えて先回りする「予防型管理」への転換を図るサービスだ。医療のプロセスになぞらえ、検査、診断、治療、経過観察の一連の流れを建物に適用している。
居室や水回り、天井裏などにIoT温湿度・CO2センサーを設置し、24時間365日体制で遠隔監視を実施する。換気不足の兆候や発生条件を検知した際は、部屋ごとの環境データやサーモグラフィ点検の結果、実施した処置をカルテとして時系列で記録する。運用改善の提案から防カビ施工、発生時の改善工事まで対応し、施工後も計測を継続して再発防止をデータで確認する。
サービスは沖縄および首都圏から順次拡大し、今後は医療機関や賃貸住宅向けへの展開も予定している。


背景にある気候変化と省エネ義務化、建設人材不足

同社によると、日本国内においてカビが繁殖しやすい環境が形成される要因として3つの構造変化が挙げられている。
1つ目は記録的な高温多湿化で、気象庁のデータによると全国の熱帯夜は100年あたり約20日のペースで増加している。2つ目は2025年4月以降に原則すべての新築建築物へ省エネ基準適合が義務化されたことだ。高気密化に伴い、換気不足や内部結露による湿気の滞留を防ぐため、CO2濃度や温湿度の常時管理が重要性を増している。
3つ目は建設業界の人手不足と工事単価の上昇である。国土交通省の公表データによれば、建設業就業者はピーク時の685万人から479万人へ約3割減少し、公共工事設計労務単価は14年連続で上昇している。修繕対応が難しくなるなかで、発生前に防ぐ予防保全への転換が求められている。
施設運営の実体験から生まれた開発経緯

NIHON Xは、沖縄でホテルの企画・開発・運営および建物のカビ調査・改善に取り組んできた。現場ではカビの発生に伴う清掃や修繕を繰り返しても再発が起きやすく、人材不足によって是正工事の職人確保が追いつかない課題を抱えていたという。
温湿度やCO2濃度の常時計測によって発生の兆候を数値で捉えられることが判明したため、自社現場での実践を体系化し、同様の課題を抱える宿泊施設向けにサービス化したとしている。
会社概要
- 社名:NIHON X株式会社
- 所在地:東京都中央区銀座7丁目15番8号 タウンハイツ銀座406
- 代表者:代表取締役 裏垣宏樹、取締役 多田信明
- 事業内容:ホテルの企画・開発・運営、モジュールユニット建築事業、カビ予防・改善サービス「カビカルテ」
- サービスサイト:https://kabikarte.jp/
- 企業サイト:https://nihonx-jp.com/
本記事はNIHON X株式会社の発表資料および気象庁、国土交通省の公表情報をもとに作成しました。
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