世界の直接リチウム抽出市場、2034年に44億米ドルへ 年平均13.5%成長予測
市場調査会社のStratistics Market Research Consulting(Stratistics MRC)は、世界の直接リチウム抽出(DLE)市場に関する調査結果を発表しました。同市場は2026年の16億米ドルから2034年には44億米ドルに達し、予測期間中の年平均成長率(CAGR)は13.5%で成長すると予測されています。電気自動車(EV)の普及に伴うリチウム需要の拡大や、環境負荷の低減を背景に導入が進むと見込まれています。
EVバッテリー需要と環境負荷低減が市場を牽引
DLEは、従来の大規模な蒸発池に依存せず、塩水(ブライン)からリチウムイオンを直接分離・回収する技術です。吸着、イオン交換、溶媒抽出、膜分離などの手法により、処理時間や土地利用、水使用量を抑えながら回収効率を高めることを目指しています。
世界的なEVシフトに加え、定置型エネルギー貯蔵システム(ESS)や再生可能エネルギー設備向けにもリチウム需要が拡大しています。自動車メーカー各社がEV生産を拡大する中、EVバッテリー向けセグメントは予測期間中に最も高いCAGRを記録すると予測されています。水資源が限られる地域を中心に、従来方式からの移行が進むとみられています。
技術別の分析では、イオン交換型DLEが予測期間中に最大の市場シェアを占めると予測されています。高度なイオン交換材料を用いてリチウムを選択的に回収できる点や、多様なブライン組成への適応性、既存システムとの統合性の高さが評価されています。
また、吸着型、溶媒抽出型、膜分離型などの開発も進められており、プロジェクトの条件に応じた技術選択が進む見込みです。
地熱ブラインの活用と商業規模への拡大における課題
DLEの市場機会として、地熱発電設備で汲み上げられる高温ブラインや油田・ガス田由来のブラインからのリチウム回収が挙げられています。これにより、エネルギー生産と資源回収を統合した開発モデルが期待されています。
一方で、初期設備投資の高さや商業規模へのスケールアップ、マグネシウムやカルシウムなど多様な成分を含むブライン組成への最適化、長期的な運用性能の確保が今後の普及に向けた課題として挙げられています。
調査レポートの概要
発表された市場調査レポートの概要は以下の通りです。
- レポート名:Direct Lithium Extraction (DLE) Market Forecasts to 2034 – Global Analysis By Technology (Adsorption-Based DLE, Ion-Exchange DLE, Solvent Extraction DLE and Membrane Separation DLE), Lithium Source, End User and By Geography
- 調査対象分野:技術別(吸着型、イオン交換型、溶媒抽出型、膜分離型)、リチウム源別、エンドユーザー別、地域別(北米、欧州、アジア太平洋、南米、中東・アフリカ)
- 販売元:Stratistics Market Research Consulting(日本国内では独占チャネルパートナーの株式会社グローバルインフォメーションを通じても販売)
本記事はStratistics Market Research Consultingの発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



