刀研機構と文化財防災センター、日本刀の発見や災害時対応の実務マニュアル整備へ
一般社団法人刀剣文化研究保全機構(刀研機構)は、国立文化財機構 文化財防災センターと協働し、文化財防災に関する取り組みに着手します。被災文化財の救援活動を目的とする基金への定期的な寄付を行うほか、平時における刀剣の発見・登録や、災害時のレスキューに関する実務マニュアルの整備を進める計画です。
基金への寄付で被災文化財の救援体制を支援
刀研機構は、文化財防災センター内に設けられた「文化財防災救援基金」へ定期的な寄付を実施します。同基金は、災害発生時における被災文化財の救援活動の実施や体制整備を目的としています。
刀研機構は令和8年熊本地震の発生を受け、緊急支援として2026年8月7日に1000万円を寄付しました。今後は毎年500万円を目安として継続的に寄付を行う方針です。
平時と災害時を網羅する実務マニュアルの策定
刀剣類は、銃砲刀剣類等取締法(銃刀法)をはじめとする法令上の手続きが一般に広く知られていないことや、素材の特性から救援時の取り扱いに注意を要することから、網羅的なマニュアルが求められていました。
これを受け、両組織は2026年春に文化財防災センター長の高妻洋成氏を委員長とするワーキンググループを設置しました。文化庁など関連行政機関の協力や監修を受けながら、教育委員会、警察署、博物館、大学などの現場で活用できるマニュアルの作成を進めます。
マニュアルの内容および配布方法は以下の通りです。
- 構成:第1部「平時」(関連法制度、登録・相続・発見・発掘・譲渡等の手続き、修理や手入れ)、第2部「災害時」(初動対応、養生、状態別手順)、付録(関連法令集、相談・連絡窓口)
- 増補予定:刀装具に関する素材や技術について、将来的に増補する可能性がある
- 配布形態:紙版は都道府県教育委員会や博物館・美術館、関連団体へ無償配布。PDF版は刀研機構および文化財防災センターのウェブサイトにて、CC BY-NC-ND(表示・非営利・改変禁止)の条件で無償ダウンロード提供
ワーキンググループのメンバーには、渡辺美術館学芸部長の伊東哲夫氏、国立科学博物館副館長の栗原祐司氏、京都国立博物館主任研究員の末兼俊彦氏、北海道大学大学院准教授の田代亜紀子氏が名を連ねています。また、オブザーバーとして文化庁美術学芸課長の建石徹氏が参加しています。
刀剣文化研究保全機構の概要
刀研機構は、刀剣に関する文化・学術研究の支援や文化振興を目的に2025年3月に設立された非営利の一般社団法人です。ゲーム「刀剣乱舞ONLINE」の有料会員制度「本丸刀剣保存会」(会費の10%を寄付、2026年5月末日時点で会員数10万人超)を主な原資として運営されています。
- 代表理事:小坂崇氣(ニトロプラス代表取締役社長)
- 業務執行理事:橋本麻里
- 主な事業:刀剣文化等に関する調査研究への助成、刀剣等の修復および新作に関する助成、文化資源・学術資源の利活用に関する調査研究への助成
本記事は一般社団法人刀剣文化研究保全機構の発表をもとに作成しています。
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