小金高校生のSDGs探究、地域と共に前進

2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けて、千葉県松戸市は積極的に取り組んでいる。2022年には「SDGs未来都市」にも選定され、さらに加速している。

そんな松戸市で、高校生たちもSDGsへの積極的な取り組みを行っている。千葉県立小金高等学校では、2019年から1年次・2年次でSDGsをテーマに探究学習に取り組んでいる。58期生(3年生)は71のチームに分かれ、「暮らしと健康」「防災」「国際理解」の3つのテーマについて課題を抽出し、解決に向けた取り組みを深めてきた。

5月15日には同校体育館で「2024 58期生 総合的な探究の時間 成果発表会」が開かれ、各チームが探究内容を発表。また、「SDGsについてさらに探究したい」という生徒たちで構成した4つの「校外活動チーム」が、協力企業や教育関係者、松戸市関係者などを前に活動報告を行った。

この中の「チームインディペ」のプロジェクトが「SDGs探究AWARDS 2022」で中高生部門優秀賞を、「チームすまいる」のプロジェクトが「SDGs QUEST みらい甲子園」で2023年度千葉県大会のトヨタ勝又グループ賞を受賞するなど、着実に成果を上げている。

同校でSDGsの活動を率いる椿仁三千先生は、「いまの生徒たちは答えにたどり着くことを求めがちだが、これからは『答えがない課題』について考えられる能力が求められる。探究学習を通して、広い視野でモノ・コトを考える力がつくはず」と語る。

校外活動チームの取り組みは多岐にわたる。「チームオーシャンズ」はマイクロプラスチック問題に着目し、回収したプラスチックをアクセサリーに再生。「チームすまいる」は中学時代の参考書を回収し、教育格差の解消を目指す。「チームインディペ」は規格外の地元農産品を使ったパンを商品化。生物部の男子生徒は日本財団の「海のごちそうプロジェクト」に参画し、千葉産品の魅力を発信した。

こうした小金高校の学生たちの”前のめり”な取り組みは、学生たちから湧き出るパッションが源だ。地元松戸の知られざる”チカラ”を感じさせる発表会となった。