米SIMO、台湾市場へ正式参入 凱擘らと提携しAI通信選択技術を企業向け展開へ
米国カリフォルニア州に本社を置くSIMOは2026年9月1日(現地時間)、台湾市場への正式参入を発表した。台湾のケーブルテレビ・ブロードバンド事業者である凱擘大寛頻(Kbro)および点点全球グループ傘下の愛物聯(IoT2things)と提携し、独自の「SIMO xSIM AIインテリジェント通信選択技術」を企業向け通信ネットワークへ投入する。ソフトウェアとハードウェアの融合により、固定回線に対するモバイル冗長化機能を企業へ提供する方針だ。
凱擘および愛物聯と連携し企業向けバックアップを提供
今回の提携において、凱擘大寛頻は企業向けブロードバンドサービスにモバイル回線によるバックアップ機能を導入する。この仕組みには、点点全球グループの愛物聯が開発したエンタープライズ向けネットワーク機器「QNET_VS」と、SIMOの通信選択技術が統合される。
利用企業は平時に凱擘の固定回線をメイン回線として利用し、通信異常が検知された際には自動でモバイルのバックアップ回線へと切り替わる。バックアップ回線は単一のキャリアに固定されず、AIがリアルタイムで最も品質の高いネットワークを能動的に選択することで、最大99.99%の無停止体験を提供するとしている。
SIMOのCEOであるJing Liu氏は、次世代の接続について「単に端末が一つの通信キャリアネットワークにつながるということではなく、端末自身がネットワークを理解し、判断し、異なるネットワークの中から最適解を選択できること」とした上で、今後は地上通信網と低軌道衛星(LEO)通信の統合を進める考えを示した。
端末自身が最適な回線を判断するAI通信選択技術
現代社会において通信の安定性は事業運営に不可欠なインフラとなっている一方、基地局のカバレッジや輻輳、回線障害による通信中断は業務停止や取引喪失につながるリスクを抱えている。
SIMOの技術は、ソフトウェアとAIアルゴリズムにより、利用可能なネットワークの認識と通信品質の分析をリアルタイムで行う。端末自身がネットワークを認識・判断し、最適な接続先を能動的かつ自律的に選択する仕組みを構築している。同社は世界300社を超える通信キャリアの回線を擁し、145カ国でサービスを展開しており、今後は5Gや低軌道衛星(LEO)通信など多様化する接続環境への対応を広げていくとしている。
台湾市場を起点とした事業拡大と日本展開の構想
SIMOは高い5G普及率とICTサプライチェーンを持つ台湾を足がかりに、通信キャリアや機器メーカー、システムインテグレーターとの連携を深める方針だ。今後はスマート製造、物流管理、コネクテッドカー、AIエッジコンピューティングデバイス、遠隔監視などの分野へ技術の応用を広げる計画を掲げている。
さらに同社は、自然災害が多く通信の強靭性が求められる日本市場への展開も見据えている。金融機関のATMや決済端末、小売・物流のPOSシステム、公共インフラの監視制御設備など、BCP(事業継続計画)が重要となる分野に向け、複数キャリアを活用した冗長化ソリューションの提供を目指すとしており、国内パートナー企業との協業を模索している。
SIMOの概要
- 所在地:米国カリフォルニア州
- 事業内容:スマートコネクティビティ・プラットフォームの提供
- 提供実績:世界145カ国、300社超の通信キャリア回線
- 公式サイト:https://www.simo.co
本記事はSIMOの発表をもとに作成。
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