FlashLabs、セキュリティ研究向けにGLM-5.3のアブリテーション版を提供
FlashLabs株式会社は、米国のAI研究機関Continuum AIが開発するAI推論ゲートウェイ「OrcaRouter」のサイバーセキュリティチーム「OrcaCyber」が、セキュリティ研究向けに拒否応答(コンテンツフィルタリング)を緩和したアブリテーション版モデル「OrcaCyber: GLM-5.3 Abliterated / Uncensored」の提供を「Orca Cyber Tier」で開始したことを発表しました。ベースとなるのは、Z.aiが公開したオープンウェイトモデル「GLM-5.3」です。
アブリテーションとは、モデルのウェイトから拒否応答を生み出す方向成分を取り除く手法で、脱獄用プロンプトや追加学習に頼らず、モデル自体の重みにフィルタリング緩和が組み込まれます。
提供の背景とサイバー防御方針
サイバー攻撃の手法が高度化・自動化し、脆弱性の発見から悪用までの時間が短縮する中、OrcaCyberは実際の攻撃者がインフラの弱点を突く前に、防御側が先回りして弱点を見つけ出し対策を講じることが最良のサイバー防御であるとしています。この考えに基づき、セキュリティ研究者が本番インフラを継続的に攻撃テストできる環境整備が進められています。
また、異なるモデルは異なる脆弱性を検出することから、OrcaCyberは「あらゆるモデルで防御する(Defending with every possible model)」という方針を掲げています。検証済みのモデルを順次アブリテーションして「Orca Cyber Tier」やオープンウェイトとして提供しており、その一環として今回のAPI提供が開始されました。
提供モデルの仕様と価格
提供が開始された「OrcaCyber: GLM-5.3 Abliterated(API)」は、テキスト入力に対応した研究用途のモデルです。
コンテキストは100万トークン、出力上限は128,000トークンとなっており、価格は100万トークンあたり入力$3.00、出力$5.00(プロバイダー定価)に設定されています。ゼロデータ保持(ZDR)に対応しており、ZDRを有効にした場合、リクエストは無保持契約のあるプロバイダーにのみ送信されます。
想定される用途として、脆弱性調査・再現、エクスプロイト開発、ペネトレーションテスト/レッドチームツール、セキュリティ監査・セキュアコードレビュー、マルウェア/バイナリ解析、ログ・ネットワークトラフィックのトリアージ、検知エンジニアリング、多段のサイバー推論など、攻撃・防御の両面ワークフローが挙げられています。
利用条件と今後の展望
本モデルは、セキュリティ研究者やレッドチーム/ブルーチームによる検証・研究用途に限定して提供され、APIの利用にあたっては申請と審査が必要です。一方で、本番システムでのAI利用に対しては、OrcaRouterのガードレール(PIIシールド・コンテンツポリシー・エージェントファイアウォールなど)が標準で有効になっており、研究用途と本番利用の線引きを明確にした運用ができるとしています。
OrcaCyberは今後も、敵対者よりも先に弱点を見つけ出すという方針に基づき、あらゆるモデルを活用してセキュリティ研究者が自社の弱点を先回りして発見できる環境の整備と、AIの安全な利用環境の確保を両輪で進めていく方針です。
関連企業およびサービスの概要
- FlashLabs株式会社
- 本社所在地:東京都千代田区一番町10番8号
- 代表取締役:細井洋一
- 設立:2023年7月
- 事業内容:AI応用研究所(Human-AI Hybridで営業・CXの自動化・自律化。OSS音声モデルChromaの開発元)
- URL:https://www.flashlabs.ai/
- Continuum AI
- 概要:「次の10年の知能システムを支える基盤インフラを開発する研究機関(米国)」
- 事業内容:OrcaRouterの開発・提供
- URL:https://www.continuum01.ai/
本記事はFlashLabs株式会社の発表(OrcaCyber公式Xアカウント「@OrcaCyberHQ」の2026年11月4日発表およびOrcaRouterモデルページの確認情報を含む)をもとに作成しました。
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