パナソニック関連会社とジャスミーなど3社、分散GPUレンダリング提供へ
パナソニック アドバンストテクノロジー株式会社、ジャスミー株式会社、ジャスミーラボ株式会社の3社は、映像・3DCG制作のレンダリング工程を効率化する分散GPUレンダリングサービス「Smart Render by JANCTION」(商標登録出願中、以下「Smart Render」)の提供開始に向けた取り組みを始めました。
複数のGPUへ処理を自動分散・並列化することで、制作現場における待ち時間の短縮と作業効率の向上を図ります。今後、映像制作会社や教育機関、研究機関などを対象に導入提案や無料トライアル、実案件での検証を順次進めていく方針です。
分散並列処理により最大94.0%の時間削減を検証
映像や3DCG制作の現場では、高解像度化に伴いレンダリングの所要時間や設備投資コストが課題となっています。Smart Renderは、ブラウザから3D制作ソフト「Blender」の制作データ(.blendファイル)をアップロードすることで、レンダリング対象をフレーム単位に自動分割し、複数のGPUへ割り当てて並列処理する仕組みを備えています。
開発中の分散GPU環境を用いた社内性能検証では、4K・1024サンプル・30フレームの高負荷Blenderアニメーションを12ノードに分散させたところ、15分で処理を完了しました。これは単一GPUの実測値(約4時間10分)と比較して16.7倍の高速化にあたり、所要時間を94.0%削減したとしています。
信頼性を確保する仕組みとサービスの主な特徴
Smart Renderは、従来型クラウドの安定性と分散ネットワークの効率性を両立させるため、以下の特徴を備えています。
- Blenderネイティブ対応:制作データをそのまま投入可能で、新たなソフト習得を不要とします。
- フレーム単位の並列レンダリング:アニメーションをフレーム単位で分割し、待機中のGPUへ自動割り当てを行います。
- KYB済みGPUによる安定運用:事業者の実在性を確認する審査(KYB)を経たGPU提供者を中心に構成し、稼働の安定化を図ります。
- コンテナ技術による環境固定化:動作環境をパッケージ化し、割り当て先のGPUに関わらず同一の再現結果を提供します。
- Jasmy PDL連携:個人がデータを管理する仕組み「Jasmy Personal Data Locker(PDL)」と連携し、認証やデータ管理の安全性を高めます。
- 円建て・クレジット制:暗号資産やウォレットを不要とし、前払いポイント制により通常のSaaSと同様の導入環境を想定しています。
3社の役割分担と今後の展開
本取り組みは、ジャスミーとパナソニック アドバンストテクノロジーが2024年2月より進めてきたWeb3ベースプラットフォーム開発における協業成果の第二弾に位置づけられています。各社の役割は以下の通りです。

- パナソニック アドバンストテクノロジー:ソフトウェアやシステム開発の知見を活かし、品質、システム構成、業務利用に向けた技術的検討と支援を担当。
- ジャスミーラボ:サービスの企画、開発、運営、GPUプールの構築・管理、顧客への導入提案および営業を担当。
- ジャスミー:PDLを含むジャスミープラットフォームの提供および連携支援を担当。
3社は初期段階において、国内データセンターおよびKYB済みGPUを中心とした安定運用を優先し、その後段階的にGPUプールを拡大する計画です。将来的にはレンダリング用途にとどまらず、映像処理、AI推論、アップスケーリング、音声処理といったGPU活用領域への展開も視野に入れているとしています。
本記事はパナソニック アドバンストテクノロジー株式会社、ジャスミー株式会社、ジャスミーラボ株式会社の発表をもとに作成しました。
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