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民間病院の57.4%が営業赤字に 債務超過は3年連続増加 帝国データバンク調査

株式会社帝国データバンクは、公立・国立を除く全国の一般病院を対象に実施した調査・分析結果をまとめた。2026年10月時点で2025年度の損益動向が判明した民間病院を経営する約800法人のうち、本業の医療活動の利益を示す営業損益が赤字だった割合は57.4%にのぼった。倒産リスクが高まる債務超過(自己資本がマイナス、判明ベース)の割合も13.6%を占め、3年連続で増加している。

営業赤字は57.4%、債務超過割合は3年連続で上昇

2025年度の営業損益における赤字病院の割合は57.4%となり、過去20年で最悪の水準だった前年度(61.7%)に比べて4.3pt改善したものの、約6割が営業損益段階で赤字となった。開業医などで構成される診療所(対象:約700法人、営業赤字割合:45.8%)よりも高い水準が続いており、依然として厳しい経営環境にある。

債務超過の割合は13.6%で、2024年度の12.3%から1.3pt上昇し、3年連続の増加となった。即座に事業が行き詰まるリスクは低いものの、資金ショートを招いて安定した医療提供に不安を抱える経営困難な状態に陥りかねない民間病院が存在すると推定されている。

営業利益率平均(上下計10%の刈り込み平均値)をみると、2025年度の病院の平均は△1.16%だった。前年度の△1.82%からは縮小したものの、2023年度以降3年連続で赤字が継続している。診療所も全体平均は0.93%と過去20年で最低を記録し、有床診療所は2年連続の赤字となるなど、医療全体で収益性の低下傾向がみられる。

23都道府県で赤字病院が半数超に

民間病院経営が10法人以上ある29都道府県のうち、約8割にあたる23都道府県で赤字の病院が半数を超えた。

最も高かったのは山口県(75.8%、対象33法人中25法人が赤字)で、秋田県(72.7%、赤字:8/全体:11法人)、愛知県(71.4%、10/14法人)が続いた。総じて地方で高い傾向にあるが、東京都(57.5%、23/40法人)や大阪府(50.9%、28/55法人)などの大都市圏でも半数を超えている。

病院経営では、入院や外来ともに診療件数が回復し、医業収益が増加した病院が多かった。一方で、医師や看護師を中心とした人材確保競争の激化、医薬品などの医療資材の価格高騰、給食材料費などのコスト上昇が続いており、価格転嫁が困難な業界事情から増収効果が打ち消される構造となっている。

地方の病院経営では医療従事者の不足が深刻で、医師1名や看護師数名の退職によって病棟運営が危機的状況に陥る事例も散見される。加えて、施設老朽化に伴う建て替えによる設備投資と減価償却負担の増加により、診療件数が回復しても利益計上に至らないケースが生じている。

2026年度診療報酬改定と経営の持続性

2026年度は診療報酬本体が30年ぶりとなる3%超のプラス改定となり、賃上げ支援や物価高対策による収益改善効果が期待されている。病床稼働率の回復や在宅医療、地域包括ケア、リハビリテーション分野の需要拡大も追い風となる見込みである。

しかし、人材確保競争の激化に伴い、診療報酬改定による増収効果以上に人件費負担が増加することも想定されている。改定のみで抜本的な改善に至らない可能性もあり、赤字や債務超過の割合が高止まりする懸念もある。

今後の病院経営においては、診療件数や病床数の確保に依存するモデルから脱却し、地域医療構想を見据えた機能分化や連携強化、生産性向上、人材定着施策の推進が求められる。ICTやAIの活用による業務効率化、在宅医療や介護との連動、高付加価値医療への転換を進められるかどうかが、持続可能性を左右すると分析されている。

調査概要

  • 調査対象:患者20人以上の病床を有し、医師または歯科医師が医業を行う全国の一般病院(公立・国立を除く)
  • データ集計:2026年10月時点における帝国データバンクの企業概要ファイル(COSMOS2、約150万社収録)、企業信用調査報告書(CCR、約200万社収録)、外部情報などを基に集計(病院および診療所の業績データは一部推定・予想値を含む)

本記事は株式会社帝国データバンクの発表をもとに作成されています。

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