Dellows News

QNSとMTMシステムズなど、伊豆大島で農業IoT暗号通信の共同研究を開始

QNS Services株式会社は、株式会社MTMシステムズおよび東京都伊豆大島で農業活動に取り組む「明日を耕す会」と連携し、農業IoT環境における暗号通信の可視化と安全なデータ管理基盤の構築に向けた共同研究を開始します。伊豆大島のスマート農場を対象に、農場内ネットワークから外部への通信で使われる暗号技術の把握と評価を実施します。さらに、農業データの遠隔バックアップ環境の構築や、耐量子計算機暗号の適用に向けた検討も進める計画です。

暗号可視化キットを用いた通信状況の把握

本共同研究では、QNS Services株式会社が提供するネットワーク暗号可視化評価キット「CipherMirror Board」を活用します。この評価キットは、暗号通信可視化技術「CipherLens」のコアエンジンをベースに小型コンピュータ「LattePanda」上で動作する教育・研究向けのもので、ネットワーク上の通信をパッシブに観測し、通信内容を復号することなく利用されている暗号技術を可視化します。

伊豆大島のスマート農場内ネットワークから外部への通信を対象に、暗号方式や通信プロトコルの利用状況を把握することで、農業IoT環境における通信セキュリティ上の課題を整理し、実環境における同評価キットの活用可能性を検証します。

農業データの安全なバックアップ環境を構築

農場で取得される環境計測データなどを、遠隔地の提携先サーバーへ安全にバックアップするための実験環境も構築します。農業データは作物の生育状況や気象条件など年間サイクルに応じて蓄積されるため、データの欠損が長期的な分析や生産計画に影響を及ぼす可能性があります。

研究では、農業現場と遠隔地サーバーを接続し、データ転送時の暗号化やアクセス制御といった機密性・完全性を確保するための技術的要件を整理します。バックアップ通信についてもCipherMirror Boardによる可視化・評価を行い、離島における継続的なデータ管理に向けた知見の蓄積を目指します。

耐量子計算機暗号(PQC)技術の適用も検討

将来的には、QNS Services株式会社が日本市場向けに提供するQuantum Bridge Technologies製の対称鍵配布システム「SDS」を活用した技術検討も行われます。PQC(耐量子計算機暗号)やDSKE(分散対称鍵確立)を用いた安全な鍵配送・鍵確立技術を、農業IoT環境へ適用することを目指します。

まずは既存の暗号通信環境を可視化し、その結果をもとに次世代暗号技術を段階的に評価することで、離島や遠隔地における安全なデータ流通の実現を図る方針です。

共同研究における各組織の役割

本取り組みにおける各組織の役割は以下の通りです。

  • 明日を耕す会:伊豆大島における農業現場を研究フィールドとして提供し、現場の運用要件やデータ活用に関する知見を共有。
  • 株式会社MTMシステムズ:農業IoT機器とネットワーク環境のシステムインテグレーションを担当し、暗号通信の可視化および遠隔バックアップの実験環境を構築。
  • QNS Services株式会社:CipherMirror Boardや暗号通信技術に関する知見を提供し、可視化・評価の支援およびSDS、PQC、DSKEの適用可能性を検討。

3者は得られた知見をもとに、農業分野にとどまらず遠隔監視やIoTシステムなどへの応用可能性についても検討していくとしています。

参画組織の概要

  • 明日を耕す会

東京都伊豆大島を拠点に、農業生産者と多様な分野の協力者が連携する団体。持続可能な地域農業の実現に取り組んでいます。 URL:https://asuwotagayasukai.jp

  • 株式会社MTMシステムズ

ロボットやIoT技術を活用した研究開発やシステムインテグレーションを手がける電気通信大学発ベンチャー。 URL:http://www.mtmsystems.jp/

  • QNS Services株式会社

耐量子計算機暗号(PQC)への移行を支援するセキュリティソリューションを提供。 URL:https://www.qnsservices.com/

本記事はQNS Services株式会社の発表をもとに作成されています。

アクセスランキング

今日

1週間