エナックス、山形県米沢市に電池安全性評価拠点NECOLABOを開設
Daigasグループのエナックス株式会社は、山形県米沢市にリチウムイオン電池の安全性評価拠点「New Energy Collaboration Laboratory(NECOLABO)」を開設し、10月2日に竣工式を開催した。同拠点では、セルから電池パックまでを対象に、安全性試験や不具合解析などを通じて電池の開発や品質向上を支援する新たな安全性評価サービスを提供する。セルから電池パックまでを一貫して開発・製造する企業が安全性評価を受託するサービスは、国内でも珍しい取り組みだという。

安全性評価ニーズの高まりと拠点開設の背景
電気自動車や再生可能エネルギー向け蓄電池に加え、ロボットやドローンなど活用分野が広がるリチウムイオン電池は、需要が高まる一方で発火や熱暴走への対策が求められている。
電池を安全に活用するためには、完成品の確認だけでなく、開発段階から多様な状況を想定した安全性や性能の検証を行い、設計へ反映することが必要とされる。また、市場投入後に生じた不具合の原因究明も重要視されている。こうした安全性評価への需要増を背景に、エナックス株式会社は新拠点となるNECOLABOを開設した。

開発・製造の知見を生かしたワンストップ評価
NECOLABOでは、安全性や耐久性の評価、不具合解析、規格・認証向け試験など、電池開発に必要な一連の評価工程を集約してワンストップで提供する。セル単体だけでなく、複数のセルで構成される電池パック全体の総合評価にも対応する。
同拠点では、1996年の創業以来約30年にわたりリチウムイオン電池の開発を手がけてきたエナックス株式会社の技術者が評価を担当する。不具合解析における製品の分解調査や再現試験を通じた原因究明と改善策の提案、発火や衝撃を想定した試験後の分析による設計課題の抽出など、製造側の知見を生かした開発フィードバックを一貫して実施できる点が特長となっている。


Daigasグループ連携による蓄電池事業の強化
蓄電池の受託研究開発領域を広げるため、大阪ガス株式会社の100%子会社である株式会社KRIは2025年12月にエナックス株式会社を完全子会社化し、体制強化を進めてきた。材料などの基礎研究や劣化診断技術を持つ株式会社KRIと、電池の試作・製造やパック開発などを得意とするエナックス株式会社の技術を融合させることで、蓄電池開発の各工程をグループ内でつなぐ体制を整えている。
エナックス株式会社の代表取締役社長を務める北村 雅紀氏は「新拠点では様々な使用環境を模した試験や、数十kWh規模の電池・モジュールに対応した安全性試験ブースを導入しており、多岐にわたるニーズに応え、より質の高いサービスを提供することで事業の発展に邁進してまいります」とコメントしている。

また、株式会社KRIの代表取締役社長である重定 宏明氏は、従来対応が難しかった大型電池モジュール等の評価が可能になったとし、開発を進める従来比5倍の寿命を持つ「超長寿命蓄電池」の試作や評価の加速に期待を寄せた。大阪ガス株式会社の執行役員で事業創造本部長を務める夏秋 英治氏は、グループが注力する系統用蓄電池や再エネ併設型蓄電池の導入において、グループ内で検証を一貫して完結できる体制が整ったと述べている。
施設および関連企業の概要

施設の概要は以下の通り。

- 名称:New Energy Collaboration Laboratory「NECOLABO(ネコラボ)」
- 開所日:2026年10月2日
- 所在地:山形県米沢市窪田町窪田2474-1
- 面積:875m2
- 対応サービス:安全性試験、充放電試験、不具合解析、ベンチマーク、安全規格試験(PSE、UN38.3)、分析・コンサルティングなど
運営および関連企業の概要は以下の通り。
エナックス株式会社
- 本社所在地:東京都文京区春日2-12-12 コロネード春日
- 設立:1996年4月15日
- 株主:株式会社KRI 100%
- 代表者:代表取締役社長 北村 雅紀
- URL:https://www.enax.jp
株式会社KRI
- 本社所在地:京都府京都市下京区中堂寺南町134 京都リサーチパーク
- 設立:1987年2月20日
- 株主:大阪ガス株式会社 100%
- 代表者:代表取締役社長 重定 宏明
- URL:https://www.kri-inc.jp/
本記事はエナックス株式会社の発表をもとに作成。
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