ベネッセCTO宮田芳郎氏が登壇 AI活用の理解負債と開発組織を語る
株式会社ベネッセコーポレーションで家庭学習カンパニー 中高生事業本部のCTOを務める宮田芳郎氏が、2026年10月16日(金)に開催された「AI×開発組織Summit 2026」に登壇しました。ファインディ株式会社の執行役員である西澤恭介氏との対談形式で行われ、AI活用により開発スピードが向上する一方で生じる「理解負債」への向き合い方が紹介されました。
AI活用による開発量増加と「理解負債」の発生
宮田氏がCTOを務める株式会社ベネッセコーポレーションの家庭学習カンパニー 中高生事業本部は、「進研ゼミ 中学講座」「進研ゼミ 高校講座」の開発を担当しています。同本部ではAIを先行して開発工程に取り入れた結果、一人あたりのデプロイ件数が前年同月比6.60倍、PR作成数が同4.48倍に達するなど、開発量が大きく増加しました。
一方で、担当したプログラムの内容を十分に説明できない状態や、AIがないと修正が困難になるといった課題も浮き彫りになりました。対談では、プログラムの仕組みや開発目的を十分に理解しないまま進むことで直せない・説明できない仕組みが積み重なる状態を「理解負債」と表現し、これを「目的」「仕組み」「原理」の3つに分類して向き合う必要があると説明されました。
AIがレビューページを作成し人が判断に集中する運用

同事業本部の開発では、コードのすべてを人が一行ずつ確認するのではなく、AIが変更内容や目的、他機能への影響、想定リスクをまとめた「レビューページ」を作成する仕組みを採用しています。人はその内容をもとに変更の可否を判断し、読む人に合わせて説明の詳しさを調整できる設計にして効果を検証しています。

対談の中で「AIが書いたものをどこまで理解すべきか」という西澤氏の問いに対し、宮田氏は変数の付け方のような細部はAIの作業を支える仕組みで担保し、人が担保すべき対象はインターフェースやシーケンス図など従来の設計レビューで扱っていた部分であると回答しました。
人の理解を「開発資本」として組織に蓄積
対談では、AI活用の成果を速さや開発量だけでなく、人が目的や影響を理解して判断できる状態を「開発資本」として組織に蓄積する考え方が示されました。取り組みの変化は、“Speed”(価値を生み、届け、学ぶ早さ)、“Quality”(手戻りなく、本番で信頼され続ける品質)、“Control”(構造・プロセス・複雑性を制御しつづける力)の3つの観点から確認していくとしています。
宮田氏は、AIは人や組織の力を大きくする「増幅器」であり、レビューページや学びログなどの効果を検証しながら、AI活用と開発者の成長を両立できる組織づくりを進めていく姿勢を示しました。


- 開催日:2026年10月16日(金)
- 会場:ベルサール汐留
- 開催形式:オフライン
- 主催:ファインディ株式会社
- テーマ:「AI前提で、組織を再設計する」
- 対象:開発組織の責任者、マネジャー、AI活用の推進担当者など
- 参加者数:約600名
- 公式サイト:https://ai-dev-org-summit.findy-tools.io/
本記事は株式会社ベネッセコーポレーションの発表をもとに作成されています。
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