大学研究費ガバナンス実態調査、事務負担による研究・教育の時間圧迫が47.2%
一般社団法人自治体DX推進協議会が運営する大学研究費ガバナンス研究会は、「大学における研究費・経費ガバナンスに関する実態調査」の集計・分析レポートを作成し、資料請求者への無料配布を開始した。本レポートは全国187大学・研究機関から寄せられた193件の回答を分析したもので、研究費や経費業務改革に向けた課題と優先事項を整理している。2025年4月に施行された改正旅費法への対応などを背景に、現場の実態をまとめた内容となっている。
事務負担による研究・教育活動への影響
研究費・経費処理に伴う申請・承認・審査の影響について、回答193件のうち99件(51.3%)が「繁忙期に残業が発生」、91件(47.2%)が「研究・教育・研究支援の時間が圧迫」を選択した。

執行管理上の課題では、「領収書・証憑のチェック」と「申請ミスへの対応」が各127件(65.8%)で同率最多となった。さらに「紙書類の管理」も47.7%に上っており、確認・審査や書類管理の負担が広く認識されている状況が示されている。
経費精算業務の運用実態と課題
旅費・経費精算業務の運用方法は、「Excel・紙・メールベース」が40.4%、「財務会計システムの一部機能」が35.8%で、合計76.2%を占めた。「旅費・経費専用のクラウド(SaaS)」は14.5%にとどまっている。
不正使用防止・コンプライアンス体制については、72.0%が「運用・点検まで定着している」と回答した。一方で、確認・審査の負担や手入力を前提とした運用が残り、教職員の研究・教育時間にも影響が及んでいるとしている。
ICカード履歴や法人カード明細の自動連携については、69.9%が「行っておらず、領収書を見ながら手入力」と回答した。「一部行っているが、手入力修正も多い」は10.4%、「行っており、手入力を削減できている」は1.6%だった。
今後、最も優先して実現したい状態としては、「チェック業務の自動化(審査レス)」が34.2%で最多となり、「ペーパーレス化」が30.6%、「研究費ガバナンスの強化」が24.4%と続いた。(※構成比は回答件数193件を母数として算出。影響および課題の設問は複数回答)
- 名称:「大学における研究費・経費ガバナンスに関する実態調査」集計・分析レポート
- 調査主体:大学研究費ガバナンス研究会(運営:一般社団法人自治体DX推進協議会)
- 調査対象:全国の大学・研究機関の研究費・経費関連部署
- 調査方法:Webアンケート。冊子『大学研究費ガバナンスのリアル』に調査票を同梱して郵送
- 調査期間:2026年8月下旬~9月18日。締切後、10月1日までに到着した回答を含む
- 回答数:全国187大学・研究機関から193件
- 発行:2026年10月
- 形式・ページ数:PDF・全22ページ
- 価格:無料
本記事は一般社団法人自治体DX推進協議会の発表をもとに作成。
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