Helical Fusion、経産省の核融合発電実証事業で条件付採択事業者に選出
核融合(フュージョンエネルギー)による実用発電の達成を目指す株式会社Helical Fusionは、経済産業省の「令和7年度補正フュージョンエネルギー発電実証推進事業補助金」において条件付採択事業者に選出された。同事業は2030年代の発電実証実現に向けて多様な方式による挑戦を支援するもので、全採択事業者を対象に総額600億円規模の補助が想定されている。正式採択および交付金額については後日公表される予定だ。


2030年代の発電実証に向けた国の補助事業
本事業は、エネルギー基本計画および「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」に基づき、世界に先駆けた2030年代のフュージョンエネルギー発電実証を推進するために実施される。対象事業者は主たる技術開発・意思決定拠点を日本国内に持つ民間団体等で、補助率は3分の2以内、事業実施期間は交付決定日から最長で令和11年(2029年)2月28日までと設定されている。
選定にあたっては、フュージョンエネルギー発電に関する技術開発であることや2030年代の発電実証を目指す計画であること、商用化前発電実証および社会実装に向けた計画が明示されていることなどが要件とされている。
代表取締役CEOの田口昂哉氏は、発電効率の高さや定常性、保守性を持つヘリカル方式が国際競争における日本の強みになるとした上で、「日本全国のパートナーとともに、チーム一丸となって開発を進めてまいります」と述べている。

独自の「ヘリカル方式」で進めるヘリックス計画
東京都中央区に本社を置くHelical Fusionは、自然科学研究機構 核融合科学研究所(NIFS)の研究成果を活用して2021年に創業したスタートアップだ。日本で約70年の研究開発実績を持つ「ヘリカル方式」を採用し、商用核融合炉に求められる定常運転、正味発電、保守性の3要件を満たす実用発電の達成を目指している。

同社が進める「ヘリックス計画」では、2020年代中に「高温超伝導マグネット」と「ブランケット兼ダイバータ」の個別実証を完了させ、2030年代中に最終実証装置「Helix HARUKA」による統合実証および発電初号機「Helix KANATA」による実用発電を達成する計画を掲げる。現在、岐阜県土岐市にあるNIFS敷地内の専用スペースにおいて、Helix HARUKAによるマグネット実証に向けた製造・建設が進められている。




フュージョンエネルギーは、発電時に二酸化炭素を排出せず燃料を海水等から豊富に得られることや、原理的に暴走が起きない安全性などから、エネルギー問題と地球環境問題を同時に解決する次世代エネルギーとして期待されている。

国内では、政府が掲げる重点投資対象分野にフュージョンエネルギーが位置づけられており、2040年までに官民で3.1兆円の投資を目指すなど、学術研究の段階から産業化に向けた取り組みが加速している。

本記事は株式会社Helical Fusionの発表をもとに作成。
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