2026年第3四半期の大型物流施設、東京・大阪・福岡で賃料上昇 JLL調査
総合不動産サービス大手のJLL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:河西 利信)は、2026年10月29日に「ロジスティクスマーケットダイナミクス2026年第3四半期」を発表した。東京圏、大阪圏、福岡圏における大型物流施設の賃料は3都市において前年同期比で上昇し、東京圏は3.8%、大阪圏は2.9%、福岡圏は3.3%となった。空室率は、東京圏が5四半期連続で低下した一方、大阪圏と福岡圏では新規供給の影響により上昇している。
東京圏:空室率が5四半期連続で低下、賃料上昇が継続
東京圏の空室率は7.3%(前期比0.5ポイント低下、前年比2.7ポイント低下)となり、5四半期連続で低下した。月額坪当たり平均賃料は4,904円(前期比+1.4%、前年同期比+3.8%)となっている。
Eコマース企業や3PL企業を中心に新規需要は215,500坪を記録し、新規供給の202,800坪を上回った。建築コストの上昇を背景に好立地エリアを中心に賃料上昇が続いている。2027年は新規供給が約238,000坪(2026年の約484,000坪から減少)に減少し、新規需要は約339,000坪と供給を上回る見込みであることから、空室率は低下基調が続き、賃料上昇は継続する見通しとしている。
大阪圏:新規供給の影響で空室率が上昇も、低水準を維持
大阪圏の空室率は3.0%(前期比1.2ポイント上昇)となり、月額坪当たり平均賃料は4,368円(前期比+0.7%、前年同期比+2.9%)となった。
需要は堅調だったものの、新規供給57,900坪(3棟)が空室を残して竣工し、新規需要23,700坪を上回ったため空室率が上昇した。ただし既存物件の空室率は低水準で推移しており、新規供給に起因する空室率の上昇は一時的と考えられている。2026年と2027年を合わせても新規供給は2025年の75%程度にとどまり、需要も安定的に推移することから、空室率は低水準で推移し、賃料上昇も継続する見通しを示している。
福岡圏:鳥栖エリアの供給で空室率上昇、特殊倉庫の需要は堅調
福岡圏の空室率は9.9%(前期比0.7ポイント上昇、前年比2.4ポイント上昇)、月額坪当たり平均賃料は3,663円(前期比+1.1%、前年同期比+3.3%)となり、緩やかな上昇基調を維持している。
鳥栖エリアで大型物流施設1棟が空室を残して竣工し、新規需要5,000坪が新規供給約10,000坪を下回った。2026年第4四半期も鳥栖エリアを中心に約29,000坪の新規供給が予定されており、空室率は当面高水準で推移し、ドライ倉庫のリーシングには時間を要する見通しとなっている。一方で、自動車・半導体関連産業の集積を受け、危険物倉庫をはじめとする特殊用途の物流施設や冷凍冷蔵倉庫の需要は底堅い状況にある。
調査対象となった大型物流施設の定義
本調査における「大型物流施設」の定義は以下の通りとなっている。
- 東京圏:東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県および茨城県南西部に所在する賃貸の大型物流施設、延床面積50,000㎡(15,125坪)以上、2000年以降に竣工
- 大阪圏:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県および奈良県に所在する賃貸の大型物流施設、延床面積50,000㎡(15,125坪)以上、2000年以降に竣工
- 福岡圏:福岡県、佐賀県に所在する賃貸の大型物流施設、延床面積30,000㎡(9,075坪)以上、2000年以降に竣工
本記事はJLLの発表をもとに作成。
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