日本医療政策機構、アフリカと日本を起点とする哲学対話の開催報告書を公開
特定非営利活動法人 日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、キックオフ・パネルディスカッション「アフリカと日本を起点に、世界各地の知と共に醸成する哲学対話プラットフォーム」の議論をまとめた開催報告書(PDF)を、10月19日にウェブサイトで公開しました。この取り組みは、グローバルヘルスにおける精神性を問い直し、政策やビジネス、国際関係に翻訳可能な対話の場の創出を目指して実施されたものです。同機構は今後、2028年開催予定のアフリカ開発会議(TICAD: Tokyo International Conference on African Development)に向けた発信を目指すとしています。
グローバルヘルスは現在、欧米諸国を中心とした従来の援助国の援助後退や投資へのパラダイム転換、アフリカの自国主体性の高まり、新しい開発金融の要請などにより、構造的な転換点を迎えています。
一方で、資金調達やロジスティクスといった手段の議論が豊富であるのに対し、「人間とは何か」「健康とは何か」「開発とは誰にとってのものか」という、人間観や関係観に対する根本的な問いには応答していない現状が指摘されています。どのような地域においても、医療システムの設計だけでなく、人々の生老病死に対する価値観や信仰、文化的文脈が決定的な役割を果たすことから、哲学や宗教、倫理が担ってきた本質的な問いが求められています。
日本とアフリカの思想的共鳴に着目
これまでの専門分化された近代医療モデルでは、人間が「孤立した個」として扱われる側面が強くありました。これに対して、日本の縁起・自他非分離の思想と、アフリカ各地にみられる関係性を重視した思想(「私は、あなたがいるから私である」とする南部アフリカのウブントゥ(Ubuntu)の思想など)は、人間を他者との関係性のなかに捉える点で深く共鳴します。
同機構は、この共鳴を起点として、医療政策、開発金融、医療人類学、哲学、信仰倫理など、異なる専門領域を超えた知の担い手が一堂に会するプラットフォームを設置しました。多様な哲学的思想や現場の知見をもとに「近代医療・開発の枠を超えて、生老病死をどう共に語れるか」という問いを深めていく構想です。
本イベントは、プラットフォームの出発点として専門家から知見を得て、グローバルヘルスに求められる精神性や哲学的思想についての議論を深めました。
- 日時:2026年6月15日(月)13:00-15:00
- 形式:対面(オンライン配信なし)
- 会場:国際文化会館 樺山ホール(東京都港区六本木5-11-16)
- 言語:日本語・英語(同時通訳あり)
- 主催:日本医療政策機構(HGPI)
共同設計者として、以下の関係者が参画しています(敬称略)。
- Alaa Murabit(Lancet-Georgetown Commission on Faith Trust & Health 委員/国連SDGsグローバル・アドボケイト)
- Adrian Lovett(The ONE Campaign 英国・中東・アジア太平洋地域 エグゼクティブ・ディレクター)
- 渋澤 健(シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役/経済同友会 中東・アフリカ委員会筆頭委員長)
- 野村 将揮(ハーバード大学 Doctoral Researcher/一般社団法人京都哲学研究所 Executive Advisor 兼 Chief Strategist)
- 乗竹 亮治(日本医療政策機構 代表理事・事務局長/Human Activity Research Laboratory 共同創設者)
- 堀場 明子(笹川平和財団 和平調停センター センター長)
- 松本 紹圭(僧侶/武蔵野大学ウェルビーイング学部 教授)
- Wakanyi Hoffman(African Folktales Project 創設者)
日本医療政策機構について
主催した日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute、代表理事:乗竹 亮治、所在地:東京都港区)は、2004年に設立された非営利、独立、超党派の民間の医療政策シンクタンクです。市民主体の医療政策を実現すべく、幅広いステークホルダーを結集して政策の選択肢を提供しています。
設立以来、女性の健康、がん対策、認知症、薬剤耐性、再生医療、グローバルヘルスなどのテーマを政策課題として提示し、法制度や国家戦略の形成、国際的な政策議論への反映などに関与してきました。
- 組織名:特定非営利活動法人 日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)
- 設立:2004年
- 公式サイト:https://hgpi.org/

本記事は特定非営利活動法人 日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)の発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



