安中市観光機構の碓氷峠廃線ウォークが国際アワード選出 群馬県内で初
一般社団法人安中市観光機構(群馬県安中市)の廃線跡活用プログラム「碓氷峠廃線ウォーク」が、持続可能な観光の優良事例を選出する国際アワード「2026 Green Destinations Top 100 Stories」に選出された。本選出は、群馬県内において初の事例となる。
国際アワード選出の概要
本アワードは、オランダの国際非営利団体「Green Destinations」が、観光地の持続可能性に関する優れた課題解決の実践事例を選出し、世界へ共有するもの。
選出ストーリーは「From Abandoned to Essential How a Retired Railway Became the Lifeline of a Community」(日本語タイトル:役割を終えた廃線が、地域を支える道になるまで)で、選出カテゴリーは「People & Community(人々とコミュニティ)」となった。役割を終えた歴史的インフラを地域社会を支える「生きた資産」へと転換させた軌跡や、地域と一体となった歩みが国際的に評価されたとしている。
歴史的鉄道遺産の継承とプログラム開始の背景
群馬県安中市の碓氷峠において100年以上にわたり地域の発展を支えてきた信越本線(横川〜軽井沢間)は、1997年の北陸新幹線開業に伴い廃線となった。山中には重要文化財のトンネル群やレンガ橋梁などの遺産群が残され、歴史や人々の記憶を風化させずに次世代へ受け継ぐことが地域の課題となっていた。
同機構と地域住民は対話を重ね、実際に線路の上を自らの足で歩き五感で体感する視点を見出した。過度な観光施設や大型設備の開発に頼らず人と地域との関係性を育むことを重視し、鉄道遺産を「生きた資産」として活用するため、2018年よりガイド付き体験型観光「碓氷峠廃線ウォーク」を開始した。

環境保全や経済循環など地域への波及効果
現在、この取り組みは観光の枠組みを越えて地域社会へ多角的な波及効果をもたらしている。
人が定期的に廃線を歩くことで倒木や崩落などの異変にいち早く気づける巡回機能を獲得し、群馬森林管理署をはじめとする多様な主体との連携により「山の安全と環境を守る仕組み」へ発展した。また、来訪者が維持管理活動に参加する関係人口となり、現在は120名を超えるサポーターが活動を支えている。
事業面では、2025年の年間参加者数は2,027人、累計参加者数は12,000人を超えた。同機構の自主財源の約80%を生み出す中核事業に成長しており、観光収益が文化遺産の継承、人材育成、環境保全活動へ再投資される経済循環が確立されている。
群馬県による伴走支援
群馬県では、持続可能な観光地域づくりを目指す県内市町村や観光関連団体等に対し、国際認証・表彰取得のための支援を実施している。同機構は県のモデル地域として選定され専門家派遣などの伴走支援を受けており、県と地域が一体となった体制整備が今回の表彰に結びついたとしている。

本件に関する問い合わせ先は以下の通り。

- 一般社団法人安中市観光機構(電話:027-329-6203)
本記事は一般社団法人安中市観光機構の発表をもとに作成しました。
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