Dellows News

フィリップス・オークション モディリアーニの彫刻Têteを11月に出品へ

フィリップス・オークションは、2026年11月17日にニューヨークで開催する近・現代美術イブニングセールのハイライト作品として、アメデオ・モディリアーニの彫刻《Tête》を出品する。本作は半世紀以上にわたり同一家族のコレクションに収蔵されてきたもので、今回初めてオークションに出品される。モディリアーニが生涯に制作した石彫作品の大半が世界の主要美術館に収蔵されるなか、本作は個人コレクションに残る数少ない作品のなかでも最大級の規模を誇る。

半世紀以上ぶりに市場へ登場する傑作

1911年から1912年にかけて、ひとつの石灰岩の塊から彫り出された《Tête》は、モディリアーニの代表的な頭部像シリーズに属する作品である。同シリーズは作家の彫刻表現の頂点であるとともに、初期モダニズムを象徴する重要な作品群として広く認識されている。

モディリアーニが生涯に制作した約28点の石彫作品の大半は、現在、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館、ロンドンのテート、パリのポンピドゥー・センター国立近代美術館など、世界の主要美術館に収蔵されている。《Tête》は高さ約30インチ(約76cm)に迫る規模を有し、現在も個人コレクションに残る数少ない作品のなかでも最大級を誇る。

フィリップス・オークションのアメリカ地域副会長兼近・現代美術部門シニア・インターナショナル・スペシャリストを務めるジェレマイア・エヴァーツは、美術館のコレクションに収蔵されず、いまなお個人の手に残る数少ない作品のひとつであり、コレクターにとってはまたとない機会になると説明している。

直彫り技法と初期モダニズムの到達点

《Tête》が制作されたのは、モディリアーニのキャリアにおいて短期間ながらも決定的な転換をもたらした時期にあたる。当時、モディリアーニは石材から直接形を彫り出す「直彫り」の技法にほぼ専念していた。ミケランジェロのように石の内部に潜む像を解き放つことを目指した制作には、親交の深かったコンスタンティン・ブランクーシからの影響も色濃く表れている。

古代エジプト、キクラデス諸島、アフリカの美術など、古今東西の多様な芸術表現から幅広く影響を受けたモディリアーニは、引き伸ばされたフォルムや抑制された幾何学的造形、強い精神性を特徴とする革新的な彫刻表現を生み出した。《Tête》は、こうした芸術的構想が初期の段階で結実した完成度の高い作品のひとつとされている。

建築構想から生まれた頭部像シリーズ

頭部像のシリーズは、モディリアーニが構想しながらも実現には至らなかった「美の神殿」の一部として制作されたもので、カリアティード(女性像柱)として建築を支える柱の役割を担うことが想定されていた。古代の芸術的伝統とモダニズムの革新的な造形言語を結びつけるこれらの彫刻は、制作から1世紀以上を経た今日でも20世紀彫刻の礎を築いた重要な成果のひとつと位置づけられている。

フィリップス・オークションの2026年春季シーズンのオークション総売上高は前年同期比60パーセント以上の増加を記録し、5月に開催された近・現代美術イブニングセールの落札総額は前年同時期の同セールの2倍以上に達した。同社は、このような重要な作品を世界のコレクターに紹介することで生まれた勢いを今後もさらに発展させていきたい考えを示している。

  • オークション:2026年11月17日
  • 下見会:2026年11月7日〜17日
  • 会場:432 Park Avenue, New York, NY
  • 詳細情報:https://www.phillips.com/auction/NY010726/overview

本記事はフィリップス・オークションの発表をもとに作成。

アクセスランキング

今日

1週間