東急や住友林業などによる商業施設新綱島MICCAが開業 古民家と新築木造で構成
東急株式会社、住友林業株式会社、株式会社再生建築研究所が手掛ける商業施設「新綱島MICCA」が、10月28日(水)に開業しました。1857年(安政4年)創建の池谷家住宅主屋を改修した建物と、新築された木造商業施設2棟の計3棟で構成されています。歴史的資産を継承しながら、来訪者が地域の歴史や文化を身近に感じられる交流拠点を目指します。

都市の新旧を段階的につなぐ空間計画


施設は、古民家を改修した「OMOYA」と、新築木造商業施設の「HANARE南」「HANARE北」で構成され、「都市にエッジをつくらない」という設計思想のもとに計画されました。駅前の高層建築物と古民家の間に低層木造商業施設を配置し、建物のスケールや連続性を保ちながら、都市の新旧を段階的につなぐ工夫が施されています。駅前から古民家、庭、広場、木造商業施設を巡る「8の字」の回遊動線が整えられました。
改修された「OMOYA」は、広い土間や庭につながる縁側といった創建時からの空間構成や外観を継承しつつ、耐震性能や設備を更新しています。かつて裏側だった北側は新綱島駅から来訪者を迎える顔へと転換され、飲食店舗として再生されました。
木造建築の技術と環境配慮設計
純木造2階建ての「HANARE南」および「HANARE北」は、住友林業が設計・施工を担当しました。古民家の伝統的な建築要素を取り入れ、深い軒下空間や連続する木の柱を配置して内外をつなぐ縁側のような空間を演出しています。構造面では高耐力な合板耐力壁を採用し、壁量を抑えながら広い開口部と自由度の高いテナント計画を実現しました。流通材や既製金物を活用し、施工性やコストにも配慮されています。
ソフトウェア「One Click LCA」による試算では、原材料調達から解体時までのCO2排出量であるエンボディドカーボンが、同規模の鉄骨造と比較して約34%削減されます。建物全体で約829.1m3の木材を使用しており、約703.31t(CO2ベース)の炭素を固定します。また、外装木部には木材保護塗料「S-100」のプレミアム仕様や、正面ファサードの木柱にAZN処理を施した「SUSTIMBER」仕様を採用し、耐久性の向上と景観の調和を図っています。
歴史的資源の活用とまちの賑わい創出
敷地内の古民家は、2024年1月に「横浜市認定歴史的建造物」に認定され、同年11月には「横浜市特定景観形成歴史的建造物」に指定されました。建築基準法第3条第1項第3号の規定を適用して法の適用除外を受けることで、歴史的な景観や価値を保全しながら店舗などへの利活用が進められました。
また、開業を記念して住友林業から枝垂れ桜「太閤千代しだれ®」が寄贈されました。同社が2004年に世界で初めて組織培養によるクローン増殖に成功した、京都・醍醐寺の「太閤しだれ桜」の後継樹であり、景観資源として地域に親しまれることが期待されています。
施設および事業者の概要
新綱島MICCAの施設概要ならびに参画企業の概要は以下の通りです。
施設概要
- 施設名称:新綱島MICCA
- 所在地:OMOYA 神奈川県横浜市港北区綱島東一丁目8番29号、HANARE南 神奈川県横浜市港北区綱島東一丁目8番37号、HANARE北 神奈川県横浜市港北区綱島東一丁目8番7号
- 敷地面積:約6,659㎡
- 延床面積:OMOYA 約348㎡、HANARE南 約1,394㎡、HANARE北 約1,209㎡
- 構造:OMOYA 木造平屋、HANARE南・HANARE北 木造2階建て(木造軸組工法)/45分準耐火構造
- 用途:飲食店舗、物販店舗、事務所等
東急株式会社
- 代表取締役:堀江 正博
- 所在地:東京都渋谷区南平台町5番6号
- 設立:1922年9月2日
- 事業内容:不動産賃貸業、不動産販売業、その他事業
- URL:https://www.tokyu.co.jp/
住友林業株式会社
- 代表取締役:光吉 敏郎
- 所在地:東京都千代田区大手町一丁目3番2号
- 設立:1948年2月20日
- 事業内容:木材建材事業、住宅事業、建築・不動産事業、資源環境事業、その他事業
- URL:https://sfc.jp/
株式会社再生建築研究所
- 代表取締役:神本 豊秋
- 所在地:東京都渋谷区神宮前4-9-13ミナガワビレッジⅠ
- 設立:2015年12月1日
- 事業内容:建築物の調査(構造や環境解析等)・企画・設計監理・管理に及ぶ再活用コンサルティング全般、再生に関する研究
- URL:https://www.saiseikenchiku.co.jp/
本記事は東急株式会社、住友林業株式会社、株式会社再生建築研究所の発表をもとに作成しました。
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