大浴拓也が博士課程向け給付型奨学金OEKフェローシップを創設 公募開始
連続起業家で投資家の大浴拓也は、大学院博士課程に在籍する学生を対象とした給付型(返済不要)の研究奨学金「OEKフェローシップ」を創設し、第1期採択者の公募を2026年10月より開始した。本フェローシップは、創設者が事業売却により得た私財をプールして運用し、その運用益を原資とするエンドウメント(基金)型の仕組みを採用している。元本を取り崩す一過性の助成ではなく、博士課程の学生を長期にわたって支援し続けることを目指す。
採択者には月額5万円を1年間(合計60万円)給付するほか、メンター陣による定期セッションや交流イベントなどを提供する。年間の採択人数は5名程度を予定しており、第1次(書類)選考の締切は2026年11月30日となっている。
私財を運用するエンドウメント型の支援モデル
OEKフェローシップの最大の特徴は、資金を切り崩して配るのではなく、運用して生まれる利益だけを給付に充てる点にある。ハーバード大学やイェール大学などの米国大学が基金運営に用いるエンドウメント方式を個人発の奨学金に取り入れた。
創設者が会社売却で得た利益を基金としてプールし、外部の金融機関が安定的に資産運用を行って継続的な運用益を生み出す。その運用益を返済不要の奨学金として毎月届けることで、創設者の一代限りではなく、次の世代の研究者にも支援を届け続ける仕組みを構築している。
第1期募集概要と支援内容
第1期の採択人数は5名程度/年(応募の状況により変動あり)を予定している。月額5万円が1年間(合計60万円)にわたり返済不要で給付される。資金の使途は自由で、研究費のほか生活費にも充当できるが、研究を生活の最優先事項に置いていることが受給条件となっている。また、他の助成との併用も可能としている。金銭的支援のほか、応用研究から社会実装までを見据えたメンター陣による定期セッションや、採択者同士が分野を越えてつながる交流イベントも提供される。

対象分野はディープテックを中心に、物理・化学・生物・工学・数学などの基礎研究まで幅広く含む。応募資格は、大学院博士課程に在籍し修了予定が2027年9月以降であること、採択期間中も博士課程に在籍していること(産休・育休による休学は除外可)、国籍不問で日本語での事務対応が可能なこととされている。
求める人物像としては、以下の3点が掲げられている。
- Obliged ― 自分の研究をやり遂げたい、前向きな執念を持っている方
- Entrepreneur ― 圧倒的な成果を出すために、前例のないことに臆せず挑戦できる方
- Kickstarter ― 自分の研究が社会にもたらす未来図を持ち、それを社会実装まで運べる方
選考プロセスとスケジュール
選考は2段階で実施される。書類では科学的貢献と研究内容を、動画ではプレゼンテーションの伝達力と研究への姿勢を、最終面談では自身の研究がどのような次の常識をつくるのかを評価する。第1次選考はCV・志望動機・論文による書類選考となる。第2次選考は東京・渋谷で対面面談が予定されており、「Paradigm Talk」(20分)で自身の研究とそれがもたらす未来を対話形式で語った後、質疑応答(10分)を行う。面談時は資料の持ち込みが自由とされている。
選考スケジュールは以下の通りである。
- 2026年10月上旬:公募開始
- 2026年11月30日:第1次選考(書類)締切
- 2026年12月下旬〜2027年1月中旬:最終選考
- 2027年2月上旬:採否通知(メール。最終採択者は特設サイトでも発表)
- 2027年4月:助成金振込・採択者ミートアップ開催

設立の背景と創設者の思い
日本では基礎研究に向かう資金の流れが細り、才能ある博士課程の学生が経済的な理由で研究を続けられない、あるいは研究以外のアルバイトに時間を奪われる状況が広がっている。進学者数が伸び悩む背景にも在学中の生活と研究を両立させる難しさがあるという。
起業家として事業を2度売却した大浴は、ビジネスで生まれた富を次の科学技術の礎に回す循環をつくるため、特定のプロジェクトではなく研究者本人に資金を託す「人」への投資として本フェローシップを立ち上げた。大浴は「ビジネスで生まれた富が次の科学技術の礎となり、新しい常識を生んでいく。その循環を回し続けることで、日本をもう一度、誇れる技術大国にする一助になれればと考えています」とコメントしている。
- 名称:OEKフェローシップ(OEK Fellowship)
- 創設者:大浴拓也(シリアルアントレプレナー/投資家)
- 特設サイト:https://nextparadigm2.jp/oek
本記事はOEKフェローシップの発表をもとに作成。
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