メニコンの1Caseプロジェクトがプラスチック新技術賞を受賞
株式会社メニコンが推進する使用済みコンタクトレンズケースの回収・再資源化の取り組み「1Caseプロジェクト」が、一般社団法人産業環境管理協会が主催する令和8年度「資源循環技術・システム表彰」において「プラスチック新技術賞」を受賞した。
同表彰は、資源・エネルギー使用量の削減やリデュース・リユース・リサイクルの推進をはじめ、循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行に貢献する先進的な技術や事業を表彰する制度である。今回新設された「プラスチック新技術賞」は、先進的で高度な資源循環に係る技術・社会システムおよび製品開発の特長を有する事業や取り組みを顕彰する賞となっている。
業界共通の課題解決を目指す1Caseプロジェクト
使い捨てコンタクトレンズ市場の拡大に伴ってケースの排出量増加が見込まれる一方、回収率は使用量全体の数%にとどまり、用途も限定的であるため、有効活用が業界共通の課題となっていた。
名古屋市中区葵三丁目21番19号に本社を置く株式会社メニコン(取締役兼代表執行役社長 CEO:川浦康嗣)は、2024年より製造流通に使用するプラスチックであるポリプロピレン(PP)について、自社の製造端材および使用済みケースを高品質な再生材原料として循環利用するための技術やシステム構築の研究に着手した。同年に内閣府が主導する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」の一環として「1Caseプロジェクト」の研究活動を開始し、科学的および社会的な両面から再生利用に向けた研究を進めている。
材料研究においては、国内で流通する100種類を超えるコンタクトレンズブランドのケースを対象に特性調査や強度試験を実施している。放射光施設「ナノテラス」を活用して材料特性の差異が生じる原因を分析するほか、自己組織化マップによって特性の傾向を体系化し、再生利用に必要な基礎データを蓄積してきた。
コンタクトレンズケースは無色・無臭でポリプロピレン(PP)単一素材からなる特徴を持ち、自動車用材料をはじめとする幅広い用途への活用可能性が確認されている。この成果は、SIP課題で構築する「再生材データバンク」や環境省が進める「自動車向け再生プラスチック市場構築のための産官学コンソーシアム」においても、再生材原料として高い評価を得ているという。
回収システムの社会実装と今後の展開
回収面では、将来的な社会実装を見据え、自社や販売店、自治体、企業、学校などで利用者が持参しやすい環境づくりや受入プロセスの設計・検証といった社会的研究を進めている。
今回の受賞では、自社製品由来の使用済みコンタクトレンズケースを対象に店舗などの接点を活用した受入スキームの検証を行い、単一組成に近い高品質ポリプロピレン(PP)の再利用に向けた実証を進めた点が評価された。取り組みは運用の可能性検証を主目的とする限定的な段階であるものの、需要の大きいポリプロピレン(PP)を対象に回収から再利用までのシステム構築を見据えた点が高く評価されたとしている。
同社は中期経営計画「Vision2030」のスローガン“新しい「みる」を世界に”のもと、今後はさらなる手法の確立と事業化に向けて取り組み、資源循環をはじめとする環境負荷低減を推進するとしている。
関連情報
- 一般社団法人産業環境管理協会: https://www.jemai.or.jp/
- 令和8年度資源循環技術・システム表彰 受賞紹介: https://www.cjc.or.jp/cjc_news/r08syshyo/r08_sys_hapyou2.pdf#page=9
- 1Caseプロジェクトについて: https://www.menicon.co.jp/campaign/1casepj/
本記事は株式会社メニコンの発表をもとに作成。
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