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御木本製薬、表皮バリア機能低下因子EREGの抑制素材を発見 IFSCCで発表

三重県伊勢市に本社を置く御木本製薬株式会社(代表取締役社長:小川雅也)は、紫外線や加齢によって表皮で増加し、肌のバリア機能を直接低下させる因子を解明した。さらに、その発現を抑制する機能性素材として「パールグリコーゲン®」および「イシゲエキス」を見出した。同社はこの研究成果を、オーストラリアのパースで開催された第36回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会で発表した。

表皮バリア機能の低下と細胞老化に着目した研究背景

肌は幾層もの細胞が積み重なることで健やかさを保っており、乾燥や外部刺激から肌を守るバリア機能は、表皮の最も外側にある角層と、角化細胞どうしをつなぎとめる「タイトジャンクション」が支えている。皮膚内部では加齢や紫外線ストレスにより細胞が老化細胞へ変化して蓄積し、さまざまな炎症性サイトカインや増殖因子を過剰に分泌する細胞老化随伴分泌現象(SASP)を引き起こす。

御木本製薬株式会社は、肌が自らの力で美しさを巡らせ続ける「SKIN-LONGEVITY BEAUTY」の実現に向けたスキンケア研究を進めている。これまで同社は、SASP因子の一つであるEREG(エピレグリン)が真皮の加齢変化に関与し、コラーゲン産生を低下させることを報告していた(33rd IFSCC Congress, 2023)。今回は真皮に続いて表皮に着目し、乾燥や肌あれにつながるバリア機能の低下へのEREGの関与について研究が行われた。

EREGの増加とタイトジャンクション破壊のメカニズム

研究では、ヒト表皮角化細胞およびヒト皮膚組織に紫外線(UV-B)を照射したところ、いずれにおいてもEREGの遺伝子発現が有意に上昇することが確認された。また、継代を重ねて老化させた角化細胞でも、EREGの発現が有意に増加した。

さらに、ヒト表皮角化細胞をEREGの組換えタンパク質で刺激した実験では、タイトジャンクションの主要構成因子であるCLDN1(クローディン1)の発現が濃度依存的に有意に低下した。シグナル経路の解析により、EREGが角化細胞の受容体EGFRに結合し、その信号が細胞の核まで伝わることでCLDN1の発現を抑え込んでいることが判明した。ヒトの肌での測定においても、EREGの発現量が多い人ほど経表皮水分蒸散量(TEWL)が有意に高く、CLDN1の発現量が有意に低いという相関が確認されている。

同社が独自に開発してきた機能性素材を探索した結果、「パールグリコーゲン®」および「イシゲエキス」が、老化した角化細胞におけるEREGの発現を有意に抑制することを見出した。

ヒト3次元表皮モデルを用いた検証では、EREGによって低下した細胞間の密着度を示す経上皮電気抵抗(TEER)が、両素材によって有意に改善することが確認されたとしている。

学会発表およびブランド基盤研究としての展開

本研究成果は、2026年9月28日~10月1日にオーストラリア・パースのPerth Convention & Exhibition Centreで開催された第36回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会(36th IFSCC Congress)にて発表された。同大会は「Solving the Sustainable Beauty Equation」をテーマに開催された化粧品科学分野の国際組織による学術大会である。

  • 発表タイトル:“Who’s Breaking Skin Barrier? Mechanistic Insights into Epiregulin Signaling in Epidermal Keratinocytes”(邦題:「誰が肌のバリアを破壊しているのか?」表皮ケラチノサイトにおけるエピレグリンシグナル伝達のメカニズムに関する知見)
  • 発表者:御木本製薬株式会社 谷口 耕紀

本研究は、2026年10月1日に誕生したMIKIMOTOのビューティーカテゴリー「MIKIMOTO BEAUTY」を支える基盤研究の一つに位置付けられている。このうち「パールグリコーゲン」は、同ブランドの独自成分「パールラミナ®」の主要成分として配合されている。

本記事は御木本製薬株式会社の発表をもとに作成されています。

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