フォンテラジャパン、北海道天塩町で放牧酪農勉強会を開催
フォンテラジャパン株式会社などは2026年9月13日、北海道天塩町の高原牧場にて放牧酪農勉強会を開催しました。本勉強会は、ニュージーランド政府、ファームエイジ株式会社、フォンテラジャパン株式会社が主体となり、北海道庁およびホクレン農業協同組合連合会の協力のもと推進するニュージーランド・北海道酪農協力プロジェクトの一環として実施されたものです。当日は、酪農家、新規就農希望者、JA関係者、北海道庁職員ら計30名が参加しました。
放牧酪農の実践で労働時間削減と所得向上を両立
日本の酪農を取り巻く経営環境が飼料価格の上昇や担い手不足により厳しさを増すなか、ニュージーランド・北海道酪農協力プロジェクトは2014年の発足以来、ニュージーランドの放牧酪農の知見を北海道の環境に合わせて取り入れ、収益性と持続可能性の向上に取り組んできました。
会場となった高原牧場は、2014年のプロジェクト開始当初に調査対象農場として参加し、放牧酪農を実践してきました。その結果、年間労働時間を約3割削減する一方、所得を約3倍に向上させるなど、経営と働き方の両面で成果を上げています。当日は高原弘雄氏から経営改善の取り組みや成果につながった要因が紹介されたほか、参加者が草、土、牛の状態を見ながら放牧地の活用や収益性向上について学びました。また、プロジェクトの放牧酪農コンサルタントとして来日したブルース・ソロルド氏も参加し、ニュージーランドの事例を交えて意見を交わしました。


将来の乳価変動に備える経営管理の重要性
公開ディスカッションでは、現役酪農家から将来の乳価下落時における放牧酪農での存続について質問が上がり、収益性の高い酪農経営のあり方が議論されました。高原弘雄氏は、高価な購入飼料をできる限り抑え、放牧を中心とした経営を行う重要性を提示しました。
ブルース・ソロルド氏は、乳価が下がってから対応するのではなく今から将来の変化を見据えて放牧システムを含めた経営管理に取り組むことが重要であり、失敗を恐れず見直しと改善を重ねることが変化に強い酪農経営につながると話しました。また、2年後の新規就農を目指して参加した池田さん夫妻からは、定期的に放牧酪農について学べる機会への評価や、実践農家から成功事例だけでなく失敗した経験も聞ける場への期待が寄せられました。
2027年に新たな実践牧場を開設へ
今回の勉強会では、プロジェクトが実証から普及のフェーズへ移行する中での具体的な取り組みも共有されました。高原弘雄氏は、2027年に新たにもう1か所の牧場を経営し、放牧地を効率的に活用して収益を生み出す経営を実践的に学べる場にするとともに、次世代の酪農を担う人材の育成にも取り組む予定を明らかにしました。


ブルース・ソロルド氏は、放牧管理を支える技術や装置の導入が進むことで、今後日本でも放牧酪農の可能性はさらに広がるとの見方を示しました。本プロジェクトでは今後も勉強会を通じて酪農家同士が学び合う機会を創出し、北海道における放牧酪農のさらなる普及を目指すとしています。

- ニュージーランド・北海道酪農協力プロジェクト:日本の酪農の収益性と持続可能性に貢献することを目標に、ニュージーランドの放牧酪農のノウハウを活かし北海道内での放牧酪農の可能性を調査するプロジェクト。ニュージーランド政府、ファームエイジ株式会社、フォンテラジャパン株式会社の3者の共同プロジェクトで、北海道庁およびホクレン農業協同組合連合会の協力のもとで実施。
- フォンテラジャパン株式会社:ニュージーランドを本拠地とする乳製品輸出企業フォンテラの日本法人。1982年4月設立。東京都港区港南2-16-2 太陽生命品川ビルに拠点を置き、代表取締役社長は國本竜生。年間約12万トンの乳製品を取り扱う。
本記事はフォンテラジャパン株式会社の発表をもとに作成。
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