ITER建設サイトに最後の真空容器セクター到着 主要機器揃い組立は次の段階へ
南フランスのサン・ポール・レ・デュランスにあるITER建設サイトに、2026年10月2日、欧州で製造された最後の真空容器セクターが到着した。今回到着したのは、真空容器を構成する9基のセクターのうち最後となるセクター#2であり、これによりITERの炉の心臓部を形づくる主要機器が建設サイトに揃った。将来のエネルギー源として期待されるフュージョンエネルギーの実現に向け、2020年に始まった本体の組立は新たな節目を迎えている。
主要機器が揃い記念式典を開催
最後の真空容器セクターの到着を受けて、トロイダル磁場コイル、ポロイダル磁場コイル、補正コイル、中心ソレノイド、真空容器の各セクター、熱遮蔽体など、ITERの炉の心臓部を構成する主要機器が建設サイトに集結した。
10月5日には、ITER機構の職員や製造企業、各加盟極の国内機関、産業界の関係者が集まり、到着を祝う記念式典が開催された。ITER機構長のピエトロ・バラバスキ氏は、欧州国内機関であるFusion for Energy(F4E)の尽力により最後の真空容器セクターが到着したとし、「計画どおりに装置の組立作業を進めることができます」と述べた。また、オンラインで式典に参加したF4Eのマルク・ラシェーズ局長も、ITER機構や各国内機関との連携が製造プログラムの完遂につながったと語った。
16年以上に及ぶ製造と国際協力の成果

今回到着した真空容器セクターは、16年以上に及ぶ製造の歩みを経て届けられた。欧州が製造を担当した5基のセクターには、Ansaldo Nucleare、Westinghouse、Walter TostoからなるAMWコンソーシアムをはじめ、15社以上の企業が関わった。
F4Eによると、欧州が製造した5基のセクターには合計200万時間以上の作業時間が費やされ、溶接の総延長は約750キロメートルに達した。真空容器の製造にあたっては、9基のうち4基を製造した韓国のチームからも経験や技術的知見が共有された。欧州が担当した5基のセクターは、過去2年間ですべてITER建設サイトへ届けられている。
本体組立は次の段階へ

主要機器の集結は重要な節目となるが、ITER全体の組立が完了したわけではない。今後は真空容器内部に設置するダイバータやブランケットなどの機器に加え、各種プラントシステムや周辺設備の整備などの作業が継続して進められる。
ITER計画は、日本、欧州連合(EU)、米国、中国、韓国、インド、ロシアの7極が協力して進める世界最大の核融合実験炉のプロジェクトであり、最後の真空容器セクターの到着を経て、本体の建設は次の段階へと進む。

本記事はITER機構 Newslineなどの発表をもとに作成。

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