マウザーとMicrochip、EUサイバーレジリエンス法対応eBookを公開
米国テキサス州マンスフィールドに本社を置く正規販売代理店のMouser Electronics(マウザー・エレクトロニクス)は、米国アリゾナ州チャンドラーに本社を置くMicrochip Technology(Microchip)と共同で、eBook『Designing for the Cyber Resilience Act: Securing Connected Devices from First Schematic to Final Decommissioning』を公開した。産業機器やIoTなど多様な分野でネットワーク接続製品の普及が進むなか、ライフサイクル全体を通じたサイバーセキュリティ対策の重要性が高まっている。本書では、欧州の規制要件と具体的な設計手法を結び付け、製品開発初期からセキュリティを組み込むための指針を解説している。
2027年12月に義務化されるサイバーレジリエンス法
2027年12月以降、他のデバイスやネットワークと直接または間接的に接続するハードウェアやソフトウェアを含む「デジタル要素を備えた製品」は、EUのサイバーレジリエンス法(CRA)が定める基本的なサイバーセキュリティ要件を満たさなければ、CEマーキングを付してEU市場に投入することができなくなる。
産業機器、民生機器、インフラ、IoTなどのネットワーク接続型製品において、この規制によりサイバーセキュリティへの対応は従来の製品要件と並ぶ重要な市場参入条件となる。
設計から廃棄までを網羅するセキュリティ指針
公開されたeBookでは、Microchipのサイバーレジリエンス担当シニアエンジニアであるTim Scherer氏の知見を交えながら、CRAの適用範囲や対応期限、関連規格について解説している。設計から試作、量産、運用中の管理、製品の使用終了時における安全な処理に至るまで、ライフサイクル全体のセキュリティ対策を取り上げている。
本書における主なトピックは以下の通りである。
- 製品がCRAの適用対象となるかどうかの判断、想定される用途・データ・接続環境に基づくリスク評価、セキュア・バイ・デザイン(設計段階からのセキュリティ確保)およびセキュア・バイ・デフォルト(初期設定でのセキュリティ確保)の原則の適用
- 信頼できるブートチェーン、ファームウェアの完全性、鍵の保護、必要に応じた機密データの暗号化など、デバイスのセキュリティを支える基本要素の確立
- ハードウェア・ルート・オブ・トラスト(信頼の基点)となる技術の選定。これには、秘密鍵の生成・保護や暗号処理を可能にするセキュアエレメントも含まれる
- デバイスIDを事前に設定した状態での試作と、量産時における鍵や証明書の安全なプロビジョニング(初期設定・書き込み)方法の策定
- 製品のライフサイクル全体を通じた、安全なデバイス登録、認証済みファームウェア更新、認証情報のローテーション、脆弱性管理、安全な製品の廃棄・利用終了処理
実装を支援するハードウェアと管理ツール
eBookでは、要件に対応するための具体的な選択肢として、Microchipのセキュアエレメント「ATECC608C」や、注文可能な開発ボード「DM320118 CryptoAuth Trust Platform」、「EV89U05A CryptoAuth Pro Trust Platform」を取り上げている。
さらに、MicrochipのWebサイトで登録して利用できる「Trust Platform Design Suite」、プロビジョニングを管理するサービス「TrustMANAGER」、IoT接続用フレームワーク「keySTREAM」も紹介されている。これらを活用することで、鍵や証明書の管理に加え、ATECC608をベースとする設計におけるFOTA(無線経由でのファームウェア更新)にも対応し、エンドツーエンドのIoTセキュリティアプローチを構築できるとしている。
公開されたeBook『Designing for the Cyber Resilience Act: Securing Connected Devices from First Schematic to Final Decommissioning』は、以下のURLから参照できる。 https://resources.mouser.com/manufacturer-ebooks/microchip-designing-for-the-cyber-resilience-act
本記事はマウザー・エレクトロニクスの発表をもとに作成。
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