「漁業フィナンシャル・モデル」が示す適切に管理された漁業の価値は約2倍 MSC認証が支える、持続可能な水産物セクターへの資金供給
MSC認証取得漁業の価値は約2倍に MSCが漁業フィナンシャル・モデルを発表
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海洋管理協議会(MSC)は、水産物セクターにおけるリスクとレジリエンスについて銀行や金融機関の理解を深めることを目的に、「漁業フィナンシャル・モデル」のプロトタイプを発表しました。このモデルでは、適切に管理されたMSC認証取得漁業は、適切な管理が行われていない同様の漁業と比較してその価値がおよそ2倍になることから、強靭な長期経済モデルを支えることが示されています。世界の水産資源の3分の1以上が持続可能ではない水準にあるなか、財務リスク低減に向けて回復力の高い生産へ資金を振り向ける重要性が高まっています。
MSC認証取得漁業の価値が約2倍になる試算
本モデルは、アジア最大級のサステナブルシーフードイベントである「サステナブルシーフード・サミット」のブルーファイナンスに関するパネルセッションで発表されました。ディスカウントキャッシュフロー(DCF法)による評価では、適切に管理されたMSC認証取得漁業の価値は約2倍(2.05倍)になる可能性が示されています。
価値の差の大部分は、より安定した漁獲や市場アクセスの改善による利益率の向上といった、事業そのものから生み出されます。モデルでは、持続可能な形で管理されている漁業はリスクが低く、市場アクセスが安定するほか、長期的にはより多くの漁獲を得られる可能性があることが示されています。一方、認証取得にかかるコストは年間収益のごく一部であり、将来的な収益拡大や長期的なコスト改善によるメリットと比べて低い可能性が示されています。
金融機関のデューデリジェンスと課題解決への活用
水産物のサプライチェーンは複雑で透明性が低く、信頼性や客観性の高い標準化データの不足が金融機関の課題となってきました。MSC認証を活用することで、自然環境、規制、サプライチェーン、風評に関連するリスクをやわらげ、理解の促進とリスク低減につなげることができます。また、債務不履行リスクの低減、信用力の向上、投資や事業成長の促進につながる可能性も示されています。
MSCおよび水産養殖管理協議会(ASC)で資本市場アウトリーチ責任者を務めるレイ・ディラーニは「金融機関にとっては、MSC認証プロセスによるリスク低減効果を、水産物サプライチェーンに対する信用評価や企業価値評価、さらには融資条件に組み込む有益な機会となり得ます」と述べています。
世界的な認証実績と厳格な国際基準
MSC認証は、持続可能な漁業とサプライチェーンを対象とした認証制度として世界で最も広く認知されており、国連食糧農業機関(FAO)と国際社会環境認定表示連合(ISEAL)の双方が定める要求事項をすべて満たした世界で唯一の漁業向け国際認証制度です。第三者審査機関が科学的根拠に基づいて審査を行います。
現在、世界では789の漁業がMSCプログラムに参加しており、そのうち624の漁業がMSC認証を取得しています。
MSC(海洋管理協議会)の概要
- 本部:ロンドン(1997年設立、25カ国に事務所を展開)
- 日本事務所:MSCジャパン(2007年設立)
- 実績:MSC「海のエコラベル」付き製品は2025年度に世界70カ国以上で約22,000品目、日本では約660品目販売
- 国内取扱先:イオングループ、生協・コープ、イトーヨーカドー・ヨーク、マクドナルド、ロイヤルホストなど
- ウェブサイト:https://www.msc.org/jp
本記事はMSC(海洋管理協議会)の発表をもとに作成しました。

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