Grafana Labs、AIとオブザーバビリティに関する最新調査結果を発表
オープンスタンダードに準拠したAIエージェント型クラウドオブザーバビリティを提供するGrafana Labsは、Futurum社傘下のETRと共同で実施した「The 2026 State of Observability Report」の調査結果を発表した。企業におけるAIの業務活用が急速に進む一方、AIに委ねる自律性の範囲が追いついておらず、実態との乖離が拡大しつつある状況が示されている。調査結果では、運用の自動化が進む現場において、AIのアクションに対する信頼構築が次の焦点となっていることが浮き彫りとなった。
AI活用が進む一方、自律的な修復には慎重な姿勢
調査によると、企業の68%がすでにAIを検討段階から積極的なパイロットや本番活用へと移行させている。AIを活用したツールによってエンジニアリングチームのオンコール体験が改善されたと回答した割合は67%に達し、そのうち28%はオンコールの負担とアラート疲れが大幅に軽減されたとしている。
一方で、業務をAIに委ねる権限の範囲には慎重な見方も残る。AIによる読み取り専用の調査に抵抗感がないと回答したITリーダーが85%にのぼるのに対し、AIが単独でインシデントを完全に修復することに抵抗感がないと回答したのは52%にとどまった。AIが生成するインサイトへの信頼を高める有効な手段としては、「実績に裏付けられた精度の向上」と「説明可能性の強化」をそれぞれ45%の回答者が挙げている。
Grafana LabsのCo-FounderであるAnthony Woods氏は、AIがシステム運用と本番環境のAI可視化の双方を変えているとした上で、「次のステップは、AIにどこまでの権限を委ねる準備ができているかを見極めることです」と述べている。
AI普及を背景にオブザーバビリティ投資が増加
回答者の78%が過去1年間でオブザーバビリティへの支出が増加したと回答し、73%が今後12カ月でもさらなる増加を見込んでいる。投資拡大の背景には、スタックへの新たなAI関連機能の追加と、AIによる開発加速に伴う監視対象自体の増加という二つの要因があり、いずれも約60%の回答者が要因として挙げた。
支出の増加に対しては97%が何らかの価値が得られたと肯定的に評価しているものの、3分の1以上がその効果をまだ具体的な数値で示せていないと回答している。
テクノロジー環境の複雑化に伴い、ツールの統合も進んでいる。組織全体で統一されたプラットフォームを導入済みと答えた企業は53%で、79%が統合を「非常に重要」または「極めて重要」と位置づけている。統合プラットフォームへの移行を完了した企業では96%が統合を成功と評価した一方、ツールが分散したままの企業での成功評価は66%にとどまった。
また、LLMを活用したアプリケーションの本番運用も広がっている。2年前にはほとんど存在しなかったLLMアプリケーションをすでに80%の企業が構築・運用しており、そのうち63%がモデルの出力品質や精度を監視し、53%がレイテンシやトークン使用量を把握するためにトレースを実施している。これに伴いコスト管理の意識も高まっており、90%の企業が何らかの形でオブザーバビリティコストの削減に取り組んでいる。
調査の概要
今回の調査「The 2026 State of Observability Report」の実施概要は以下の通りである。
- 調査主体: Futurum社傘下のETR
- 調査時期: 2026年6月
- 調査対象: オブザーバビリティツールの予算または購買に影響力を持つディレクター/VP以上のITおよびエンジニアリングの意思決定者300名(米国150名、日本50名、ラテンアメリカ50名、西欧50名)
本記事はGrafana Labsの発表をもとに作成されています。
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