年末調整に「50名の壁」、従業員50名以上の企業の6割超で残業増加
弥生、年末調整業務の実態調査を発表

CATEGORY: ビジネス
弥生株式会社は、全国の企業で給与計算や年末調整を担当する901名を対象に実施した「令和8年分 年末調整業務に関する実態調査」の結果を発表しました。調査によると、ソフトを導入している企業の約4社に1社で税額計算にはソフトを使う一方、申告書の配布や回収には紙などの別手段を用いており、デジタル化が部分的にとどまっている状況が浮き彫りになりました。特に従業員50名以上の企業では、年末調整業務に伴う残業や問い合わせ対応の負荷が高まっている実態が示されています。
部分的なデジタル化による二重管理と業務の負担
給与計算ソフトの活用が進む一方で、「計算のみソフトを利用し、申告書の配布・回収は紙など別の手段で行う」という工程間の分断が発生している企業は27.2%にのぼりました。
このような運用を行っている企業では、紙の申告書からシステムへの再入力や内容確認が必要となるため、担当者の負担が解消されにくい状況となっています。具体的な負担として、「書類の不備や入力ミスが多く、修正が負担」(44.6%)、「各種申告書の記入内容の確認が負担」(42.6%)、「申告書の配布・回収が負担」(40.5%)などが挙げられました。


従業員50名以上の企業で増える残業と未提出者対応

従業員数が50名を超える企業では、未提出者への対応や複雑な控除内容の確認業務が大きく増加する傾向がみられます。

50名〜300名規模の企業では平均約9人の未提出者が発生しており、担当者が個別の追跡や確認業務に多くの時間を費やしています。その結果、年末調整時期に残業時間が増加したと回答した割合は60.5%に達しました。
企業規模で異なるデジタル化導入の障壁
デジタル化を進める上での課題は企業規模によって傾向が分かれています。
従業員50名未満の企業では「現在の紙運用に不便を感じていない」が最多となりました。従来の運用方法に大きな不便を感じておらず、デジタル化の必要性を実感しにくいことが導入の障壁の一つになっていると考えられます。
一方、従業員50名以上300名未満の企業では、「従業員への周知・案内」と「PCやスマートフォンの操作が難しい従業員がいる」が同率1位となりました。担当者の作業負担を軽減できる可能性がある反面、従業員への説明や操作サポートといった導入・運用に伴う負担への懸念が障壁になっていると考えられます。

一元管理による業務効率化と弥生の考察
弥生の考察によると、申告書の配布・回収から税額計算までを同一システム上で一元管理している企業の77.7%が、40%以上の作業時間削減を実感していることが分かりました。また、担当者の負担は税額計算そのものよりも、従業員への案内、提出状況の確認、未提出者への督促、問い合わせ対応といった周辺業務に集中していることも明らかになっています。
これらの結果から、年末調整業務の効率化には計算業務のみをデジタル化する部分最適ではなく、申告書の配布・回収から進捗管理、税額計算までを一体的に管理できる環境の整備が重要であると同社は示しています。同社はこうした課題に対応するクラウド給与計算ソフトとして「弥生給与 Next」を提供しています。

調査概要および会社概要
本調査の概要は以下の通りです。
- 調査名:令和8年分 年末調整業務に関する実態調査
- 調査期間:2026年9月
- 調査対象:全国の企業における給与計算・年末調整担当者 901名
- 調査方法:インターネットによるアンケート調査
弥生株式会社の概要は以下の通りです。東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX21Fに本社を置き、代表取締役 社長執行役員 最高経営責任者(CEO)を武藤 健一郎が務めています。
- 創業:1978年
- 従業員数:792名(2026年9月現在※役員を除く)
- 事業内容:業務ソフトウエアおよび関連サービスの開発・販売・サポート
- URL:https://www.yayoi-kk.co.jp
本記事は「令和8年度 年末調整業務に関する実態調査」弥生調べの発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



