Worldが銀行・金融機関向けWorld ID発表 AIによる詐欺対策へ
AI時代の人間証明(Proof of Human)を提供するWorldは、米・ラスベガスで開催中のMoney20/20において、共同創業者アレックス・ブラニアが銀行・金融機関向けWorld ID(World ID for banking and finance)を発表しました。提供が開始されているこの技術群は、銀行・金融機関の社内システムおよび顧客向けシステムにおいて、AIエージェントが関与するやり取りを含めた信頼性の確保を支援します。
深刻化するAI詐欺リスクへの対策
AIで生成されたIDや高度化するなりすまし手法により、金融機関はオンライン上で対話する相手の本人確認において大きな課題を抱えています。銀行や資産運用などの金融サービスでは、機密性の高い情報や重大な金融判断を扱うため、詐欺への対応が重要性を増しています。
Deloitte Center for Financial Servicesが2024年5月29日に公開したレポートによると、米国におけるAIを悪用した詐欺の被害額は、2023年の推計123億ドルから2027年には400億ドルに達する可能性があると予測されています。銀行・金融機関向けWorld IDは、こうしたデジタル上のやり取りで人間の存在を確認し、検証を行うためのツールとして設計されました。
本人確認を支える3つの技術
本サービスは、以下の3つのツールを組み合わせて構成されています。
- World IDアプリ:AI時代にデジタルサービスを利用するうえで必要な「人間であることの証明」を安全に取得・管理・提示できるID管理アプリ
- World ID for Zoom:リアルタイムコミュニケーションにおいて、相手がディープフェイクではなく実在する本人であることを確認する機能
- AgentKit:利用者が自身の証明を確立してエージェントに委任し、エージェントが第三者プラットフォームに対してその証明を確認できる機能
Worldはあわせて、World ID for Zoomの一般提供開始と、Worldの推進企業であるTools for HumanityがZoomの独立系ソフトウェアベンダー(ISV)エクスチェンジプログラムに参加したことを明らかにしました。Tools for Humanityのプレジデントであるサンドロ・ハービッグ(Sandro Herbig)は、企業が不正防止と信頼向上に向けて個人に証明を求めるなか、金融機関のシステム全体に信頼のレイヤーを加えるツール群を提供する旨を説明しています。
今回の発表は、WorldにとってWorld IDの初の業界特化型の取り組みです。Worldは、OpenExchange、Bain Capital、VanEck Funds、Pentera Capital、Outtakeといったパートナー企業と協力し、ヒューマン・インフラストラクチャ技術が銀行・金融サービスのユースケースをどのように支えられるかを検討しています。
量子コンピュータ時代にも安全性を保てる暗号学的証明の検証機能とデジタルコミュニケーション向けツールを組み合わせ、組織が関係者やエージェントに対してより高い確信を持てるよう支援することを目指しています。今後、WorldはZoomtopiaへの参加やCloudflare Connectでの出展を予定しており、エンタープライズ層に向けた人間認証テクノロジーの紹介を続けていくとしています。
Worldは、人間であることとプライバシーの両立を目指すソリューションとして、サム・アルトマン(Sam Altman)、マックス・ノベンスターン(Max Novendstern)、アレックス・ブラニア(Alex Blania)によって構想されました。現在、全世界で1,800万人以上が実在する人間のネットワークの基盤となるProof of Human(人間証明)を取得しています。
- World公式サイト:https://world.org/ja-jp
- World Japan公式X:https://x.com/worldnetworkjp
本記事はWorldの発表をもとに作成されています。被害予測に関する数値はDeloitte Center for Financial Servicesの公表情報に基づきます。
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