中東・北アフリカで拡大するライブ配信市場、2030年に178億ドルへ【A.T. カーニー】
中東・北アフリカのライブ配信市場は2030年に178億ドル規模へ、カーニーが予測
CATEGORY: ビジネス
A.T. カーニー株式会社は、中東・北アフリカ地域におけるエンターテインメント分野のライブ配信市場を分析した論考『ライブ配信がもたらすエンターテインメント革命』(英題:The livestreaming entertainment revolution: What’s at stake?)を公開しました。世界の同市場が2024年の1,080億ドルから2030年には約3,400億ドルに達する見通しのなか、中東・北アフリカ市場は2024年の81億ドルから2030年には178億ドルへと拡大すると予測されています。同社は、持続的な経済的・社会的価値へつなげるため、クリエイター育成やインフラ整備、ガバナンスの必要性を指摘しています。
中東・北アフリカ主要3カ国の市場動向
中東・北アフリカ地域のライブ配信市場は、2024年から2030年にかけて約2.2倍に拡大する見通しです。主要3カ国の予測数値はそれぞれ異なっています。

- サウジアラビア:2024年の15億ドルから2030年には32億ドルへ拡大、年平均成長率(CAGR)は13%
- アラブ首長国連邦(UAE):2024年の19億ドルから2030年には34億ドルへ拡大、年平均成長率(CAGR)は10%
- エジプト:2024年の10億ドルから2030年には34億ドルへ拡大、年平均成長率(CAGR)は22%
リアルタイム性や双方向性、クリエイター主導の制作といったライブ配信の特性が参加型の体験を生み、市場の拡大を後押ししています。
中東・北アフリカ地域には約1,000万人のライブ配信クリエイターが存在し、その約60%が少なくとも月1回は配信しています。また、週1回以上ライブ配信を視聴する人は約4,000万人に上ります。普及率は地域平均で20%、UAEでは最大35%ですが、世界には71%に達する国もあり、成長の余地を残しています。
同地域にはクリエイターを支えるエージェンシーが700社以上あるものの、毎日配信を行うクリエイターで所属している割合は約10%にとどまります。中国の約80%と比較して差があり、エージェンシーの活用を通じて専門性を高める余地があるとされています。

人材育成や制度整備などが進み、普及率が70%に達した場合を想定した「潜在力最大化シナリオ」における2030年の効果は以下の通りです。
- サウジアラビア:GDP効果と財政寄与の合計108億ドル、雇用創出効果18万4,000人相当
- UAE:GDP効果と財政寄与の合計66億ドル、雇用創出効果15万8,000人相当
- エジプト:GDP効果と財政寄与の合計83億ドル、雇用創出効果32万5,000人相当
市場拡大に伴い、コンテンツモデレーション、金融取引の透明性、若年層や知的財産の保護への対応が求められます。論考では、AIと人によるモデレーションや本人確認(KYC)、取引監視などの手法を組み合わせ、イノベーションと安全性を両立させる必要性が示されています。
また、視聴者の支出と国内収益の構造には国ごとに違いが見られます。サウジアラビアとUAEでは視聴者支出と国内プレーヤーが得る収益の比率が約1.4~1.5で国外クリエイターを支える傾向がある一方、エジプトでは同比率が約0.2で国内クリエイターの収益の多くが海外視聴者から得られています。論考では、制作・配信機能を集積する「ハブ戦略」や、創造力を生かして海外から収益を獲得する「プロデューサー戦略」など、各国の特性に応じた方針が提案されています。
論考および発表元について
- 論考名:『ライブ配信がもたらすエンターテインメント革命』(英題:The livestreaming entertainment revolution: What’s at stake?)
- URL:https://www.jp.kearney.com/issue-papers-perspectives/the-livestreaming-entertainment-revolution-what-s-at-stake
- 監修者:松岡 洋平 シニアパートナー
- 発表企業:A.T. カーニー株式会社(東京都港区、日本代表:針ヶ谷 武文)
なお、本論考はTikTokとの協働により作成されました。
本記事はA.T. カーニー株式会社の発表をもとに作成。
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