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三宅香帆さん、落合陽一さんら有識者4人が新聞協会賞受賞作品にコメント

日本新聞協会、2026年度新聞協会賞の受賞作と有識者4人のコメントを公開

CATEGORY: ビジネス

日本新聞協会は、新聞週間に合わせて2026年度新聞協会賞の受賞作品と、各界の有識者4人によるコメントを公開しました。文芸評論家の三宅香帆さん、スマートニュースメディア研究所所長の山脇岳志さん、メディアアーティストの落合陽一さん、東京大学大学院情報学環教授の林香里さんが、それぞれの視点から受賞作品と報道の意義を語っています。

新聞協会賞は、日本新聞協会が1957年に創設した優れた報道活動を顕彰する賞です。

三宅香帆さん「切実な声伝える報道の力」

受賞作品全般に寄せてコメントした三宅香帆さんは、いずれの作品も当事者の切実な声を丹念に拾い上げており、時間をかけて問題を掘り下げてリアルを伝えた点が優れていたと評価しました。発信できない人たちの声を集めて正面から伝えることや、情報の価値判断ができる点に報道の力とジャーナリズムの役目があるとの見方を示しています。

また、情報が過熱しやすい現代において、社会の信頼を積み上げてきた報道機関には冷静さを示す役割への期待を寄せました。

ニュース作品には、福岡県議会の高額な海外視察や正副議長ポストをめぐる現金授受疑惑など、常態化していた不適切な慣行を暴いた西日本新聞社の「歪んだ関係―福岡県政を追う」が選ばれました。

同作にコメントを寄せた山脇岳志さんは、権力監視というジャーナリズムの役割を端的に示した報道であると評しました。記者が感情に任せず事実を積み重ねて冷静に報じた地道な作業に触れ、誰にも貸し借りのない一市民として行動する記者の報道が民主主義の腐敗を防ぐ力になると述べています。

写真・映像部門の3作品と落合陽一さんの視点

写真・映像作品には、多様な手法で社会や自然の実相に迫った次の3件が選ばれました。

  • 共同通信社「終わらぬ悲しみの連鎖」(イスラエル、パレスチナ双方の市民の表情からガザ戦闘の現実を伝達)
  • 山陽新聞社「島を渡る」(約2年かけてシーカヤックで瀬戸内海の121島を巡り、歴史や風景、社会問題を描画)
  • NHK「ヒグマ 異変の海に生きる」(高精細カメラなどを駆使し知床のヒグマを長期取材、生態系の変化を記録)

落合陽一さんは、情報がファスト化する時代において、プロが撮影し整理・構成したクオリティーの高さに触れ、ジャーナリズムの意味は時間をかけて文化を温めていくスローさにこそあるのではないかと論じました。

企画作品には、社会課題を粘り強い取材で掘り下げた2件が選定されました。

  • 神戸新聞社「あの熱狂の中で」(2024年の兵庫県知事選をめぐる熱狂や分断、メディア不信を取材)
  • 京都新聞社「隠れた刃」(7年3か月に及ぶ情報公開請求と訴訟で開示させた資料から強制不妊政策の実相を解明)

林香里さんは、両作について組織ジャーナリズムのあるべき姿を体現した示唆に富む取材であると評価しました。一方で、どんな素晴らしい記事も読まれなければ意味がないと指摘し、ネット社会で良質な情報をどう市民に届けるかを情報産業や研究者も含めて社会的に考えていく必要があると提言しています。

受賞作品の詳細やコメントは、日本新聞協会の特設サイト(https://www.pressnet.or.jp/journalism/award/2026/)などで公開されています。

本記事は日本新聞協会の発表をもとに作成しました。

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